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「黙示の更新」を無視した雇止めの撤回を求める申入書

このページでは、有期雇用契約の契約期間が満了した後も引き続きその職場で就労を継続し使用者(会社)から特段の異議を受けなかったため「黙示の更新」として契約が更新されている状況であるにもかかわらず、使用者(会社)側から一方的に雇止め(解雇)された場合に、会社に対してその雇止め(解雇)の撤回を求める場合の申入書(通知書)の記載例(ひな形・書式)を公開しています。

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なお、この書式例(ひな形例)は当サイト管理人が個人的な見解で作成したものです。この書式例(ひな形例)を使用して生じる一切の損害につき当サイトの管理人は責任を負いませんのでご了承のうえご使用ください。

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民法第629条第1項によって「黙示の行使」が認められるケースであるにもかかわらず契約期間の満了を理由に雇止め(解雇)された場合にその撤回を求める申入書の記載例


〇〇株式会社

代表取締役 〇〇〇〇 殿

黙示の更新を無視した雇止め(解雇)の撤回を求める申入書

 私は、平成〇年〇月〇日、貴社から有期雇用契約の契約期間満了を理由とした雇止めを命じられました。

 しかしながら、有期雇用契約の契約期間が満了した場合であっても、労働者が引き続きその労働に従事する場合において使用者がこれを知りながら異議を述べないときは、「黙示の更新」がなされたものと推定し従前と同一の労働条件で契約が更新されいるものと考えられますので(民法第629条第1項)、そのような「黙示の更新」の成立を無視して使用者が「雇止め」を行う場合には、その「雇止め」は「解雇」といえますから労働契約法第16条の規定に従ってその有効性を判断すべきものと考えられます。

 この点、貴社の云うとおり、平成○年○月○日をもって私と貴社の間で締結された有期雇用契約の契約期間が満了したことは事実ではございますが、その期間満了後も私が従前どおりに出社し、引き続き従前の業務に従事していたにもかかわらず、貴社から特段の異議が述べられないまま同年○月○日まで勤務していた事実があることを考えると、私と貴社の間には民法第629条1項の「黙示の更新」によって従前と同一の労働条件で期間の定めのない雇用契約が締結されているものと推定すべきであって、そうであれば貴社の「契約期間の満了を理由とした雇止め」は「雇止め」ではなく「解雇」となります。

 そして、「解雇」であれば労働契約法第16条に基づいてその解雇の理由に「客観的合理的理由」と「社会通念上の相当性」が必要とされますが、民法第629条1項に基づいて「黙示の更新」として有効に更新された雇用契約の成立を無視した貴社の「雇止め(解雇)」にそのような「客観的合理的理由」や「社会通念上の相当性」は認められませんから、貴社の私に対する「雇止め」は労働契約法第16条に違反する「違法な解雇」であると考えられます。

 したがって、貴社の行った解雇は権利の濫用として無効と判断されますので、直ちに当該解雇を撤回するよう申し入れいたします。

以上

平成〇年〇月〇日

〇〇県〇〇市〇〇町〇‐〇

〇〇 〇〇 ㊞


なお、有期雇用契約の契約期間が満了し「黙示の更新」が認められる事実があるにもかかわらず、使用者(会社)側がこれを無視して(拒否して)「雇止め(解雇)」してきた場合の具体的な対処法等については『「黙示の更新」が認められずに雇止めされたときの対処法』および『契約期間満了後に更新されない場合は雇止め?それとも自動更新?』のページで詳しく解説していますので参考にしてください。