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内定の取り消しを受けた際に集めておくべき証拠とは?

面接試験に合格し、希望する会社から内定や内々定をもらうとその企業に入社することが「一応」確定します。

多くの大学生はその時点で就職活動を終了させ、その後は会社説明会や企業訪問などの就職活動を行わないのが通常でしょう。

そのため、内定や内々定をもらった後にその企業から内定や内々定の取り消しを受けてしまうと、予定していた会社での働き口を失うばかりか、新卒での就職活動の機会を喪失してしまうため(就職活動をするには翌年の新規募集に応募するしかなく、その場合でも新卒扱いにはならない)、多大な損失を被ることになってしまいます。

このような内定や内々定の取り消しという行為は、法律上多くの問題をはらんでいることも多く、場合によっては裁判などを起こして対処するしかない場合も多いのが現状です。

そして、もし裁判になった場合には、内定取消を受けたということを「証拠」として裁判所に提出しなければなりません。

そこで、このページでは、採用内定取り消しを受けた場合に、後日裁判で必要となる「証拠」の収集方法などについて考えてみることにいたしましょう。

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まずは証拠集めが重要

採用内定(内々定)の取り消しを受けた後、裁判などを起こす場合には証拠の有無が重要になってきます。

裁判は「真実発見の場」ではなく「証拠によって裁判官が判断する場」ですから、たとえ自分の主張が真実であったとしても証拠がない限り裁判官は「YES」と言ってくれません。

内定や内々定の取り消しを受けたことを裁判上で主張する場合には、

「内定や内々定を受けたこと」と

「内定や内々定の取り消しを受けたこと」

を証明しなければなりません。

「内定(内々定)の取り消しを受けたこと」を証明するためには、その前提として「内定(内々定)を受けたこと」を証明する必要がありますから、上記の2つを証明する証拠の提出が必要となるのです。

 具体的には

・内定や内々定を受けたことを示す証拠

・内定や内々定の取り消しを受けたことを示す証拠

 2種類の証拠を収集する必要があります。

内定(内々定)受けたことを示す証拠とは

内定(内々定)受けたことを示す証拠とは、具体的には会社から送られてくる「内定通知書」と題される書面が該当するでしょう。

内定通知書には、「採用試験に合格したこと」「入社予定日から社員となる資格を有すること」などが記載されていますので、企業から郵送された「内定通知書」が「内定を受けたこと」を示す証拠となります。

一方、内々定については書面でなく電話など「口頭」でなされる場合も多いですから、内々定を受けた場合には後々のトラブルに備えて内々定を受けた際の会話を録音しておくなどしておく方がよいでしょう。

※録音できない場合は、日記に内定取り消しを受けたことを記載しておいて後日裁判になったときにその日記を証拠として提出するなども有効です(※メモ書きなどに内定取り消しを受けたことをメモしておくのもいいですが、毎日書いている日記より証拠としての価値は落ちると思います)。

もちろん、内々定が書面で行われるような場合(内々定通知書が郵送されてくるような場合)にはその受け取った内々定通知書が「内々定を受けたことを示す証拠」となりますので大切に保管しておく必要があります。

内定(内々定)の取り消しを受けたことを示す証拠とは

内定や内々定の取り消しを受けたことを示す証拠は、基本的に会社側から送られてくる「内定取消通知書」などの書面を提出することになります。

しかし、この内定取消通知書に関しては、企業によっては「内定取消の理由」が記載されていない場合も多いです。

内定の取消が、どのような理由がなされたのかということは、後日裁判になった場合に会社側の違法性を追求するために大変重要なものとなってきます。

そこで、受け取った内定取消通知書に「内定取消の理由」が記載されていない場合は、会社に対して「内定取り消しの理由を書面で回答してください」と依頼して、「内定取消の理由」の記載された「内定取消通知書」を発行してもらうようにしてください。

書面で回答するように要求するのは、後日裁判になってから会社側が内定取り消しの理由を変更し、会社側の都合の良いように内定取消の理由をねつ造することがあるためです。

電話などで理由を聞いても、後になって「言った・言わない」の水掛け論になって埒が明きません。

そのため、「内定取消の理由」は必ず書面で回答してもらうようにしましょう。

なお、会社がこのような要求を無視して内定取消理由の記載された内定取消通知書を送付してくれない場合も考えられます。

そのような場合は、後日裁判になった際に会社側が『内定取消理由を記載した内定取消通知書を送ってくれと頼んだのに送ってくれなかった』ということを証明する必要が生じます。

そこで、会社に「内定取消の理由を記載した内定取消通知書を送付してください。」と頼む場合は、なるべく手紙で頼むようにし、その手紙を配達証明郵便で送付したりしておいた方が良いでしょう。

内定取消を受けた場合の対処方法

なお、内定の取り消しを受けた場合の対処方法などは『採用内定を取り消されたときの対処方法とは?』のページを参考にしてください。