このページでは、育児休業(産後休暇)の取得が認められない場合に、労働基準監督署に対して違法行為の是正申告を行う場合の申告書のひな形(文例)を公開しています。
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育児休業(産後休暇)の取得が認められない場合の労働基準監督署に対する違法行為の是正申告書の記載例
〇〇労働基準監督署長 殿
労働基準法違反に関する申告書
平成〇年〇月〇日
申告者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 神奈川県横浜市〇〇町〇番〇号
氏名 出産下子
電話番号 090-****-****
違反者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 東京都品川区〇〇町〇番〇号
名称 悪徳興業株式会社
代表者 悪徳次郎
電話番号 03-****-****
労働基準法104条1項に基づき、下記のとおり労働基準法に違反する事実の申告を行います。
記
1 当事者
違反者はゲームアプリのソフト開発を行う従業員20名の株式会社であり、品川区の本社ビルにてソフトウェアの開発及びウェブマーケティング業を営んでいる。
申告者は、平成〇年〇月にSE(システムエンジニア)として入社し、ゲームアプリ開発班の一般社員として勤務している。
2 労働基準法に違反する事実
申告者は平成〇年〇月に結婚。平成〇年〇月に妊娠していることが判明し、今年の〇月〇日に長男を出産した。申告者は育児休業(産後休暇)の取得を申請したが、「出産するまでに産前休暇を与えたのだから、これ以上の休暇は与えられない、出産後2週間程度なら産後休暇を与えるが、それ以上の休暇を認めることはできない」として育児休業の申請を却下している。
3 是正措置の申立
違反者の行為は、労働基準法65条2項に違反する。よって、速やかに調査を行うとともに是正措置をとられるよう求める。
4 添付資料
育児休業の申請を却下した旨の通知書の写し 1通
育児休業を与えるよう会社に対して送付した申入書の写し 1通
5 備考
本件申告をしたことが違反者に知れると勤務先で不当な扱いを受ける恐れがあるため、違反者に対しては申告者の氏名を公表しないよう求める。
以上
※1「当事者」の欄
当事者の欄は、会社や自分の業務に合わせて適宜書き直してください。
なお、匿名で申告したい場合は申告者の欄は空欄のまま提出しても構いません。
※2「労働基準法に違反する事実」の欄
労働基準法に違反する事実の欄は、会社の違反する事実に応じて適宜書き換えてください(たとえば、産前休暇を与えてくれない場合は「産後休暇」を「産前休暇」に書き換えるなど)
また、会社と交渉した経緯などがあればそれも記載しておいた方が良いでしょう(ただし、会社への愚痴などをだらだらと長く書くのは禁物。あくまでも簡潔に記載すること)。
※3「是正措置の申立」の欄
是正措置の申立の欄には、会社の行為が労働基準法の何条(何項)に違反するのかを記載します。
どの条文に違反するか分からない場合は、いったん弁護士などの法律専門家に相談した方がいいかもしれません。
※4「添付書類」の欄
添付書類の欄には、労働基準法違反の事実を証明するようなものを記載します。
添付書類なので、当然ながらこの欄に記載した書面についてはこの申告書と合わせて提出(添付)しなければなりません。
上記の文例では、育児休暇の取得を申請したことに対して会社がその申請を却下した通知書と、その却下されたことを受けて会社に対して育児休暇の取得を与えるよう申し入れしたときに会社に送付した申入書(ひな形はこちらのページに掲載しています→育児休業(産前・産後休暇)を求める申入書【ひな形・書式】)の写しを添付することにしてみました。
なお、添付書類として提出する文書の「原本」は裁判になった際に使用する可能性がありますので、原本ではなく「写し(コピー機で複写したもの)」を提出するようにした方が良いでしょう。
※5「備考」の欄
労働基準監督署への違法行為の是正申告は、労働基準監督署には氏名を明らかにしつつ会社には匿名にして申告することも可能です。
是正申告したことを会社に知られても構わない場合は備考の欄は削除しても構いません。
なお、このページに掲載した申告書の詳しい説明についてはこちらのページでご確認ください。