このページでは、「〇年〇月まで辞めません」「定年退職まで辞めません」といった誓約書を書かせられ退職を妨害されている場合に、労働基準監督署に対して違法行為の是正申告を行う場合の申告書の記載例(ひな形・文例)を公開しています。
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辞めない旨の誓約書を書かせられ退職を妨害されている場合に労働基準監督署に提出する違法行為の是正申告書の記載例
〇〇労働基準監督署長 殿
労働基準法違反に関する申告書
平成〇年〇月〇日
申告者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 岡山県倉敷市〇〇三丁目〇番〇号
氏名 花加瀬羅令太
電話番号 090-****-****
違反者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 岡山市北区〇〇一丁目〇番〇号
名称 株式会社ドントリーブ
代表者 八女佐仙蔵
電話番号 086-****-****
労働基準法104条1項に基づき、下記のとおり労働基準法に違反する事実を申告いたします。
記
1 当事者
違反者は手錠や足枷など拘束用具を製造する従業員893名の株式会社である。
申告者は、平成〇年〇月から違反者に勤務する一般社員であり、製品となる手錠その他の拘束用具の検品作業を主な職務として勤務している。
2 労働基準法に違反する事実
違反者は、労働者を採用する際に必ず「〇月〇日まで退職しません」または「定年まで退職いたしません」といった誓約書に署名捺印することを求めており、仮に退職を申し出た従業員がいる場合にはその誓約書を盾に退職を認めず退職を希望する労働者の意思に反して労働を強制している。
3 是正措置の申立
違反者の行為は、労働基準法第5条に違反する。よって、速やかに調査を行うとともに是正措置をとられるよう求める。
4 添付資料
・退職しない旨の誓約書の写し 1通
5 備考
本件申告をしたことが違反者に知れると内定先で不当な扱いを受ける恐れがあるため、違反者に対しては申告者の氏名を公表しないよう求める。
以上
※官公庁ではすべての書類をA4で統一していますので、A4用紙でプリントアウトするようにしてください。
※「当事者」の欄
当事者の欄は、会社やご自身の会社の業務に合わせて適宜書き直してください。
なお、匿名で申告したい場合は申告者の欄は空欄のまま提出しても構いません。
※「是正措置の申立」の欄
是正措置の申立の欄には、会社の行為が労働基準法の何条(何項)に違反するのかを記載します。
上記の記載例では、退職しない旨の誓約が強制労働の禁止を規定した労働基準法の第5条に違反するという文章にしています。
なお、この点の法律上の問題についてはこちらのページで解説していますので参考にしてください。
なお、労働基準監督署に対する違法行為の是正申告は会社が労働基準法の何条に違反しているかが前提となりますので、どの条文に違反するか分からない場合は労働基準監督署に相談に行って聞いてみるか、事前に弁護士などの法律専門家に相談する方がいいかもしれません。
※「添付書類」の欄
添付書類の欄には、労働基準法違反の事実を証明するような資料があればその資料を記載します。
労働基準監督署への違法行為の是正申告は裁判所における裁判と異なるため必ずしも添付書類は必要はありませんが、使用者の労働基準法違反を証明するような書類やデータ(画像や動画の記録など)がある場合には添付書類として提出してください。
なお、上記の文例では「~まで退職しません」というような労働基準法第5条に違反する誓約書を書かせられたことを明らかとするためにその誓約書の写しを添付することにしています。
なお、添付書類として提出する文書の「原本」は、後に裁判になった際に使用する可能性がありますので、労働基準監督署に対しては原本ではなく「写し(コピー機で複写したもの)」を提出するようにした方が良いでしょう。
※「備考」の欄
労働基準監督署への違法行為の是正申告は、労働基準監督署には氏名を明らかにしつつも会社には匿名にして申告することも可能です。
是正申告したことを会社に知られても構わない場合は備考の欄は削除しても構いません。
なお、この辞めない旨の誓約書を書かせられて退職を妨害される問題についての詳細はこちらのページで解説していますので参考にしてください。