身に覚えのないセクハラで処分された場合の対処法


67c7774099088531a074c527091fd764_s

このサイトでも他のページで解説していますが、社内でのセクハラについてはその勤務先の使用者(会社・雇い主)に適切な対処をとる義務がありますから、セクハラの被害に遭った場合には、上司や社内に設置された相談室などに相談し、適切な対処をしてもらうことが可能です(※詳しくはこちらのページでご確認ください → セクハラ相談に会社はどんな対応をとる必要があるか)。

しかし、世の中には不道徳な輩もいるもので、このように使用者(会社・雇い主)にセクハラに対処する義務があることを逆手にとって、実際にはセクハラが発生していないにもかかわらず「セクハラに遭った」と会社に虚偽の申告をし、自分が気に入らない上司や同僚などをセクハラの加害者に仕立て上げて降格や退社に追い込むといった不当な行為をしている人間が少なからず存在しているようです。

そこで今回は、セクハラをしていないにもかかわらず、他の社員から「セクハラをした」と無実の罪を着せられてしまい、会社から降格や配置転換、解雇(退職)など不当な処分を受けた場合には具体的にどのように対処すればよいか、といったことについて考えてみることにいたしましょう。

スポンサーリンク

セクハラの相談を受けた会社は当事者双方から事実関係を聴取する義務がある

セクハラの冤罪で処分された場合の対処法を考える前に知っておいてもらいたいのが、厚生労働省の告示では、労働者からセクハラの相談を受けた使用者(会社・雇い主)に対しては、そのセクハラの事実関係について迅速かつ正確な確認をすることが求められているということです(平成18年厚生労働省告示第615号3‐(3))。

このセクハラ相談を受けた会社に求められる「迅速かつ正確な確認」には、セクハラの相談を受けた相談窓口の担当者や人事部門または専門の委員会等が、セクハラの当事者(被害者と加害者)双方から事実関係を聴取することが求められており、その当事者の主張に違いがある場合には、当事者以外の第三者(他の社員など)からも事実関係の確認を行うことも求められています。

そのため、仮に自分が「セクハラをしていない」と主張しているにもかかわらず、会社がセクハラ被害を受けたと主張する従業員の言葉だけを信じて懲戒処分を行うことは許されません。

このような場合には、会社は当事者以外の第三者(他の従業員など)からも事実関係の聴取を行い、中立的な立場で調査することが必要ですから、仮に会社がセクハラの被害を受けたと主張する人物の言葉だけを信じて懲戒処分を行ったような場合には、そのような一方的な処分は違法なものとなるのです。

事実関係の確認が困難な場合は、労働局など中立的な第三者機関の手続きに解決を委ねる必要がある

また、厚生労働省の告示においては、仮にセクハラの当事者の主張が食い違い、当事者以外の第三者から聴取を行っても事実関係の確認が困難な場合には、労働局の調停を利用するなど第三者機関に紛争処理を委ねることも求められています(平成18年厚生労働省告示第615号3‐(3))。

そのため、たとえセクハラの被害を受けたと主張する人物が「セクハラがあった」と主張し、他の従業員全員も「セクハラはあった」と回答している場合であったとしても、そのセクハラの事実関係の確認が困難である場合には、会社はその状態のまま懲戒処分等を行ってはならず、必ず労働局などの第三者機関に調停の申立を行うなどして事実関係の確認に努めなければ法律違反となります。

この点、自分がセクハラについて無実であるにもかかわらず「セクハラをされた」と濡れ衣を着せられている場合には、セクハラを行ったことが明らかとなる確定的な証拠も存在しないはずですから、そのような場合には必ずセクハラの事実関係の確認が困難となるはずであり、そうであれば会社は必ず労働局などの第三者機関に問題解決を委ねなければならないことになるはずです。

したがって、自分が真実にセクハラをしていないのであれば調査の過程で必ず労働局などの第三者機関が介入するはずであって、そのような第三者機関の介入がなされていないにもかかわらず会社から処分を受けたという場合には、その処分は厚生労働省の告示に違反した違法な処分ということが確実であるといえます。

なお、労働者からセクハラの相談を受けた場合に事業主(会社・雇い主)が具体的にどのような対処を取らないといけないかという点についてはこちらのページで詳細に解説していますので参考にしてください。

▶ セクハラ相談に会社はどんな対応をとる必要があるか

身に覚えのないセクハラで処分された場合の具体的な対処法

以上のように、厚生労働省の出している告示では、セクハラの相談を受けた会社はセクハラの当事者だけでなく、その他の第三者(他の従業員)からも事実関係の聴取を行わなければならず、その聴取によっても事実関係の確認ができない場合には労働局などの調停の申し立てをしてセクハラの事実が確認できた場合でなければそのセクハラの加害者とされる人物に懲戒処分等を与えることはできません。