バイト・パート・契約社員が正社員になる方法

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ガッツポーズをする男女

アルバイトやパート従業員などが正社員になることは、一般に「正社員への登用」などと言われることが多いです。

この「正社員への登用」では、一般的には会社がバイトやパート従業員に対して「正社員にしてあげようか?」と尋ね、バイトやパート従業員が「正社員にしてください」と返答した場合に、アルバイトやパートから正社員になることができます。

言い方が適切ではないかもしれませんが、「正社員への登用」は、いわば使用者(会社・雇い主)が上から目線でバイトやパート従業員を「正社員にしてあげる」制度ということができます。

そして、当然ながら、この「正社員の登用」の場合には使用者(会社・雇い主)の承諾が必要となりますので、アルバイトやパート従業員が「正社員になりたい」と思っても、会社が「正社員にしてあげる」と言ってくれない限り正社員になることはできません。

では、アルバイトやパート従業員、契約社員などが使用者(会社・雇い主)の承諾を得なくとも正社員になる方法はないのかというとそういうわけでもなく、使用者(会社・雇い主)の承諾がなくとも有無を言わさず正社員になる方法が存在しています。

ということで、今回はアルバイトやパート、契約社員といった非正規の労働者が無理やり正社員になる方法をご紹介いたしましょう。

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アルバイトやパートから正社員に転換できる要件

平成27年4月1日に施行された改正労働契約法により、有期労働契約の労働者が無期労働契約に転換できる方法が定められました。

”有期労働契約”と言われると難しく感じますが、簡単に言うと”有期労働契約”とはアルバイトやパート、契約社員などのことを指します。

アルバイトやパート、契約社員の場合は、「20〇〇年の〇月から20〇〇年の〇月まで」などと働く期間が定められているのが通常です。

このように働くことができる期間が定められている雇用形態を”有期雇用契約(期間の定めのある雇用契約)”といいます。

一方、”無期雇用契約”とは、いわゆる正社員のことを指します。

正社員の場合は、契約期間が「〇年〇月まで」などと定められておらず、単に定年退職の年齢が定められているにすぎませんので、いったん就職すれば定年退職まで働くことができるということになりますから”無期雇用契約(期間の定めのない雇用契約)”といいます。

有期雇用契約
(期間の定めのある雇用契約)
無期雇用契約
(期間の定めのない雇用契約)
・アルバイト
・パート
・契約社員
・正社員

新しく施行された労働契約法では、このアルバイトやパート、契約社員といった有期雇用契約の労働者が、正社員(無期雇用契約)に移行できるルールが定められており、アルバイトやパート従業員、契約社員が正社員に移行するためには、次にあげる2つの要件が必要とされています(労働契約法18条)。

通算で5年を越えて契約が更新されていること
通算で5年を越えて契約が更新された後に、正社員への転換の申し込みを行ったこと

① 通算で5年以上契約が更新されていること

アルバイトなどの有期雇用契約の労働者が正社員などの無期雇用契約に移行するためには、通算して5年を越えて契約が更新されていることが必要です。

「通算して5年を越えて契約が更新されている」とはどういう意味かというと、有期雇用契約(期間の定めのある雇用契約)が更新されて、その更新された契約期間の合計が5年を超えているという意味になります。

たとえば、「契約期間を1年とし、契約から1年が経過した時点で更新する」というような雇用契約の場合には、最初の契約から5回目の契約更新時に契約が更新された場合には「通算して5年を超えて契約が更新されている」ということになります。

1年→ 1年→ 1年→ 1年→ 1年→ 1年→
(正社員に転換の申し込みOK)

そのため、このように1年ごとの更新となっている場合には、5年が経過した後(5回目の更新がなされた後)であれば正社員への転向が可能となります。

一方、たとえば「契約期間を3年とし、契約から3年が経過した時点で更新する」というような有期雇用契約の場合には、最初の契約から1回目の更新時(最初の更新時)に契約が更新された時点で「通算して5年を越えて契約が更新されている」ということになります。

3年→ 3年→
(正社員に転換の申し込みOK)

そのため、このように3年ごとの更新となっているような場合には、3年が経過した後に最初の更新時にさらに3年の更新がなされたのであれば「通算して6年の契約更新がなされた」ということになりますから、最初の契約の日から5年が経過していなくても、最初の契約から3年が経過した後に最初の更新がなされた時点で「通算して5年を越えて契約が更新されている」ということになります。

【契約期間満了後に契約の更新手続がなされない場合】

なお、契約期間満了後に契約の更新手続がなされない場合において、引き続き使用者(会社・雇い主)従来どおり勤務が続いていてそれに使用者が異議を唱えていない場合には、「黙示の更新」がなされたと解釈されます。そして、この場合にはその後の雇用契約は「期間の定めのない雇用契約(無期雇用契約)」となると考えられていますから(民法629条1項)、その場合には自動的にアルバイトやパート従業員が正社員になるということになります(同様の裁判例として、紀伊高原事件・大阪地裁平成9年6月20日等)。

ちなみに、有期雇用契約(期間の定められた雇用契約)については、ある一定の職種や60歳以上の労働者の場合を除いて3年を越える期間を設定してはいけないことになっています(労働基準法14条)。

② 正社員への転換の申し込みを行ったこと

①で説明したとおり、アルバイト・パート・契約社員が正社員に転換する場合には「通算して5年を越えて契約が更新されている」ことが必要ですが、5年を超えて契約が更新されていれば自動的に正社員なるのではありません。

アルバイトやバイトなどの非正規労働者が正社員に転換するためには、「通算して5年を越えて契約が更新」された後に、自分で使用者(会社・雇い主)に対して「正社員に転換してください」と申し込みを行う必要があります。

正社員への転換の申し込みに決められた方法はありませんので、口頭でも手紙でもメールでも、自分の好きな方法で正社員への転換を申し込めばよいですが、常識的に考えて、「正社員への転換申込書」などを作成して会社に提出するのが一般的でしょう。

正社員(無期労働契約)への転換申込書【ひな形・書式】

使用者(会社・雇い主)は正社員への転換の申し込みを拒否することはできない

前述したように、アルバイト・パート・契約社員などの非正規雇用の労働者が、「通算して5年を越えて契約が更新されている」ような場合に、使用者(会社・雇い主)に対して「正社員への転換の申し込み」を行った場合には、正社員になることが可能です。

そして、この「正社員への転換の申し込み」に対して使用者(会社・雇い主)は拒否する権利を持っていませんから、「正社員への転換の申し込み」を行った場合には必ず(100%)正社員になることが可能となります。

バイトやパート従業員に正社員に転換されたら困るという使用者(会社・雇い主)は、契約が通算して5年を超えることになる更新の際に更新しなければよいだけなので、使用者(会社・雇い主)が望まない場合であっても正社員への転換の申し込みさえすれば正社員になることができるようになります。

実際に正社員となるのは「更新された有期雇用契約が終了する翌日」から

前述したように「通算して5年を越えて契約が更新されている」場合に、使用者(会社・雇い主)に対して「正社員への転換の申し込み」を行った場合には、正社員になることが可能となりますが、申し込みを行った時点ですぐに正社員になるわけではありません。

実際に正社員となるのは、「その更新された契約が終了する翌日」からということになります。

たとえば、前述の例で、「契約期間を1年とし、契約から1年が経過した時点で更新する」というような雇用契約の場合には、最初の契約から5回目の契約更新時に契約が更新された場合には「通算して5年を超えて契約が更新されている」ということになり、正社員への転換の申し込みが可能となりますが、実際に正社員となるのは、その更新された契約が終了する翌日(つまり、最初の契約から6年が経過した日の翌日)からということになります。

1年→ 1年→ 1年→ 1年→ 1年→ 1年→
(正社員へ転換申込)
正社員→

また、たとえば「契約期間を3年とし、契約から3年が経過した時点で更新する」という有期雇用契約の場合には、最初の契約から1回目の更新時(最初の更新時)に契約が更新された場合に「通算して5年を越えて契約が更新されている」ということになりますから、実際に正社員となるのは1回目の更新で契約された契約期間が満了する日の翌日(つまり、最初の契約から6年が経過した日の翌日)ということになります。

3年→ 3年→
(正社員へ転換の申込)
正社員→

参考サイト

労働契約法の改正について~有期労働契約の新しいルールができました~ |厚生労働省

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/

有期契約労働者の円滑な無期転換のために(pdf)|厚生労働省

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000043248.pdf


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