サラリーマンやバイトの従業員に守秘義務はあるのか?

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

内緒

”守秘義務”とは、簡単に言うと「職務上知り得た事実や情報を職務外に漏らさない」ということが「義務」になっている場合のことをいいます。

この点、公務員や医師、弁護士など一定の職種においては、職務上知りえた事実を他人に漏らしてはならないという「守秘義務」が法律で定められています。

【刑法134条1項】

医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

また、それ以外にも司法書士や看護師、郵便局員といった他人のプライバシーを扱う職業であったり、技術士や中小企業診断士など企業の内部情報を扱う職種についても各法律で守秘義務とそれを犯した場合の罰則が規定されています(守秘義務 – Wikipedia)。

このように、特定の専門的な職種については法律で守秘義務が明文化されており、その罰則も規定されていることから守秘義務があることは明らかです。

一方、一般企業に勤めるサラリーマンやOL、アルバイトやパート従業員についてはこのような守秘義務(違反)に関する法律は存在しませんから「会社員やバイトには守秘義務は無いのではないか?」とも思えます。

しかし、サラリーマンやバイトに守秘義務がないとしたら、会社の秘密やお客の個人情報なども自由に扱うことができることになって問題が生じてしまうでしょう。

そこで今回は、サラリーマンやOL、アルバイトやパート従業員には守秘義務はあるのか、また、あるとしたらどの範囲で何を根拠として守秘義務が発生するのか、といった問題について考えてみることにいたしましょう。

スポンサーリンク

サラリーマンやOL、アルバイトやパート従業員であっても守秘義務は存在する

結論から言うと、サラリーマンやOL、アルバイトやパート従業員であっても守秘義務は存在し、職務上知りえた情報を他人に漏らす行為は法律上厳しく制限されています。

サラリーマンやバイトの守秘義務を直接規定した法律はありませんが、労働契約法の第3条4項が根拠となる法律となります。

【労働契約法3条4項】

労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。

労働者(サラリーマン・OL・アルバイト・パート)は使用者(会社・雇い主)に対して、「信義に従い誠実に」「義務」を負うと規定されていますので、労働者であればサラリーマン・OL・アルバイト・パートといった雇用形態の違いに拘わらず、全ての労働者は勤務先の会社に対して不誠実なことをしてはならないという”義務”を負っていることになります。

この点、労働者(サラリーマンやOL、アルバイトやパート従業員)が会社内で業務上知った事実を会社外に漏らすことは会社(使用者)に対する背任行為ととらえることになりますので、「信義に従い誠実に」「義務を履行しなければならない」と規定された上記労働契約法3条4項に違反することになります。

そして、労働契約法3条4項に違反している以上、その違反した結果として会社に損害が発生した場合には、たとえサラリーマンやOL、アルバイトやパートなどの従業員であっても、会社に対して損害賠償義務(不法行為責任(民法709条)または債務不履行責任(民法415条))が発生することになります。

このように、サラリーマンやOL、アルバイトやパート従業員については明確に直接的に守秘義務(秘密保持義務)を規定した法律はありませんが、勤務している会社に対して”法律上の”守秘義務(秘密保持義務)を負っていると考えることができます。

公務員や弁護士、医者などと異なるのは罰則の規定がないだけ

このように、一般のサラリーマンやOL、アルバイトやパート従業員であっても、仕事上知り得た事実を漏らしてはならないという守秘義務(秘密保持義務)は存在します。

ただし、一般のサラリーマンやOL、アルバイトやパート従業員における守秘義務(秘密保持義務)については明文化された法律はありませんので、当然ながら守秘義務違反に対する罰則を規定した法律も存在しません。

公務員や弁護士、医者などが守秘義務違反を犯した場合には「6月以上の懲役又は10万円以下の罰金」などの刑事罰が科されますが、一般のサラリーマンやOL、アルバイトやパート従業員が守秘義務違反を犯しても、基本的には刑事罰は科されないことになります。

しかし、一般のサラリーマンやOL、アルバイトやパート従業員が守秘義務違反を犯した場合には、前述したように会社に対する義務違反となり損害賠償の対象となりますし、仮にお客の個人情報を漏らしたような場合にはそのお客について不法行為による損害賠償の対象となりますので、刑事罰はなくとも民事罰(多くの場合は損害賠償金を請求されるという罰)は発生することになります。

twitter や facebook などSNSで顧客の個人情報を公開する行為は「顧客+会社」に対する守秘義務違反になる

最近よくニュースになるツイッターやフェイスブックなどSNSでお客の個人情報を公開する、いわゆる「バカッター」や「バラスブック」問題ですが、このような仕事中に知り得たお客の個人情報を公開する行為は、そのお客に対するプライバシーの侵害というだけの問題ではありません。

そのお客以外にも、会社に対する守秘義務違反という性質も有していますので、お客と会社の2方向に対する権利侵害(義務違反)ということになり社会的責任はとても重大と言えます。

(※このように労働者がその勤務する企業の顧客の個人情報を漏えいした場合は、その顧客に対する損害賠償と、勤務している会社に対する損害賠償の2つの損害賠償責任が発生することになります)


スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする