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飲食店で食べ残しを他の客に再提供している場合の内部告発文書

このページでは、勤務している飲食店において顧客が食べ残した食品をそのままの状態で又は綺麗に盛り付け直して他の顧客に再提供していることを衛生面に問題があるとして監督官庁に内部告発する場合の申出書の記載例(サンプル)を公開しています。

適宜、ワードなどの文書作成ソフトで複製するなど自由に使用してかまいませんが、著作権を放棄するわけではありませんので無断転載や配布などは禁止します。

なお、この書式例(ひな形例)は当サイト管理人が個人的な見解で作成したものです。

この書式例(ひな形例)を使用して損害が発生したとしても当サイトの管理人は一切責任を負いませんのでご了承のうえご使用ください。

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飲食店で顧客が食べ残した食品を他の客に使いまわす行為が行われていることを監督官庁に通報する場合の内部告発文書の記載例


申出書

平成

厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部企画情報課 御中

氏名 告発 太郎 ㊞

 食品衛生法に違反する行為につき、下記のとおり申し出ます。

1 申出人の氏名又は名称及び住所並びに電話番号

 氏名又は名称 告発 太郎

 住所 神奈川県相模原市〇〇三丁目〇番〇号〇〇マンション〇号室

 電話番号 080-****-****

2 申出に係る通報の種類

人の健康を損なうおそれがある食品の販売・陳列

3 申出の理由

申出人は事業者が神奈川県内に多数展開するファミリーレストラン「レストラン・FUKETSU」の川崎駅前店で調理師補助として勤務しているが、同店舗では店長の指示により、顧客が食べ残した料理を破棄せずにそのままの状態で又は盛り付け直して他の顧客に提供することが常態化している。

4 申出に係る事業者等の氏名又は名称及び住所

 氏名又は名称 株式会社不潔食堂

 住所 神奈川県横浜市鶴見区〇〇三丁目〇番〇号

5 申出に係る違法行為を行っている事業所の場所及び氏名又は名称

 氏名又は名称 レストラン・FUKETSU 川崎駅前店

 住所 神奈川県川崎市川崎区〇〇一丁目〇番〇号〇〇ビル地下1階

以上


※官公庁ではすべての書類をA4で統一していますので、プリントアウトする際はA4用紙を利用するようにしてください。


【匿名で内部告発したい場合】

自分の氏名を申告せずに匿名で告発したい場合は上記の「氏名」の欄や「1 申出人の氏名又は名称及び住所」の欄を白紙のまま提出するか、「6 備考」の項目を追加して「本件申出をしたことが事業者に知れると勤務先で不当な扱いを受ける恐れがあるため事業者に対しては申出人の氏名を公表しないよう求める。」などと記載するなどしてください。

※ただし、匿名で内部告発する場合は監督官庁としてもその告発内容の信ぴょう性を確認できず単なる「いたずら」などとしか判断しない可能性もありますので注意してください。また、仮にこのように記載したとしても監督官庁が確実に氏名を秘匿してくれるかは保証できませんのでご自身の判断で申出を行ってください。

申出書の記載要領

(1)申出書の様式

食品衛生法に違反する事業者を監督官庁に申告する申出は法律で定められた手続きではありませんので情報提供に使用する申出書に定型の様式はありません。

そのため飲食店で顧客が食べ残した食品を他の客に使いまわすなどの行為について監督官庁に内部告発する場合の申出書も適宜な書式で記載しても構いませんが、このサイトでは上記のような様式で記載することにしています。

(2)申出書の提出先

飲食店において提供される食品の安全性などについて規定する食品衛生法に関する問題は厚生労働省がその監督官庁になるようですが、食中毒に関する問題については各都道府県などの自治体や各市町村の保健所がその情報提供先になっているようです。

この点、上記の記載例のような「飲食店で顧客が食べ残した食品を他の客に使いまわす」行為については、それ自体が食中毒の危険を及ぼすというものでもありませんのでどこに情報提供すれば迷う点もあります。

この点、消費者庁のサイトによると、厚生労働省の「厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部企画情報課」という部署が食品衛生法に関する問題の全般的な通報先となっているようですので、「飲食店で顧客が食べ残した食品を他の客に使いまわす」というような行為についてもこの厚生労働省の「厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部企画情報課」に通報すれば問題ないのではないかと思われます。

なお、食品衛生法に関する公益通報の具体的な通報先の住所は消費者庁のこちらのページに掲載されています。

▶ 公益通報の通報先・相談先 行政機関検索 | 消費者庁

(3)申出の根拠

上記の記載例のように「飲食店で顧客が食べ残した食品を他の客に使いまわす」行為がどのような法律に違反するのかが問題となりますが、このような食べ残しの食品を他の顧客に提供することはその衛生面で問題があると思われますし、前の顧客が食べ残す際に何らかの異物が混入したり、前の顧客が何らかの感染性の病気に罹患しているような場合にはその唾液が付着することで他の顧客の健康を損なう可能性も否定できないでしょう。

この点、食品の販売や陳列などについて規定された食品衛生法の第5条と6条では、衛生的でない食品や、不潔であったり異物の混入等の事由により人の健康を損なう「おそれ」があるものの販売や陳列が禁止されていますので、上記のような「飲食店で顧客が食べ残した食品を他の客に使いまわす」行為も、これらの食品衛生法の規定に違反するのではないかと思われます。

【食品衛生法第5条】
販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の授与を含む。以下同じ。)の用に供する食品又は添加物の採取、製造、加工、使用、調理、貯蔵、運搬、陳列及び授受は、清潔で衛生的に行われなければならない。
【食品衛生法第6条】
次に掲げる食品又は添加物は、これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合を含む。以下同じ。)、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。
第1号~3号(省略)
第4号 不潔、異物の混入又は添加その他の事由により、人の健康を損なうおそれがあるもの。

(4)食品衛生法の第6条に違反した場合の罰則等

なお、前述した食品衛生法の第6条に違反して安全性に問題のある食品を提供した事業者については都道府県知事や厚生労働大臣により営業許可の取消や営業の全部または一部の禁止もしくは一定の期間の営業停止が命じられる場合があります(食品衛生法第55条)。

また、前述した食品衛生法の第6条に違反する行為を行った事業者については3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられる場合があります(食品衛生法第71条)。

(5)内部告発を行う場合の注意点

なお、内部告発をする際の注意点などについては『内部告発(公益通報)の正しい方法と順序』のページを参考にしてください。