このページでは、勤務先の運送会社において会社側の指示による過積載が常態化していることを理由として監督官庁に内部告発する場合の申出書の記載例(サンプル)を公開しています。
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勤務先の運送会社で過積載での運搬が常態化していることを理由として監督官庁に内部告発する場合の申出書の記載例
申出書
平成〇年〇月〇日
国土交通大臣 殿 ← 注1
氏名 告発 太郎 ㊞
事業者の貨物自動車運送事業者法に違反する行為につき、下記のとおり申し出ます。
記
1 申出人の氏名又は名称及び住所
氏名又は名称 告発 太郎
住所 東京都大田区〇〇三丁目〇番〇号〇〇マンション〇号室
電話番号 080-****-****
2 申出に係る通報の種類
過積載
3 申出の理由
申出人は事業者の東京東営業所において2tトラックにおける宅配便の配達ドライバーとして勤務しているが、同営業所では営業所長の指示により、2tトラックにおいては3t以上、4tトラックにおいては5t以上の荷物を積んで配送することが常態化している。
4 申出に係る貨物自動車運送事業者等の氏名又は名称及び住所
氏名又は名称 株式会社オーバーローディング運送
住所 東京都品川区〇〇一丁目〇番〇号
5 申出に係る違法行為を行っている車両の所在場所及び所有者の氏名又は名称
氏名又は名称 株式会社オーバーローディング運送東京東営業所
住所 東京都江東区〇〇三丁目〇番〇号
以上
注1:貨物自動車運送事業者法に違反する事業者の内部告発に関する申出書は国土交通省に設置された公益通報窓口に提出することになりますので(※詳細は後述の(2)を参照)、名宛人は「国土交通省公益通報窓口 御中」と記載しても構いません。
※官公庁ではすべての書類をA4で統一していますので、プリントアウトする際はA4用紙を利用するようにしてください。
【匿名で内部告発したい場合】
自分の氏名を申告せずに匿名で告発したい場合は上記の「氏名」の欄や「1 申出人の氏名又は名称及び住所」の欄を白紙のまま提出するか、「6 備考」の項目を追加して「本件申出をしたことが事業者に知れると勤務先で不当な扱いを受ける恐れがあるため事業者に対しては申出人の氏名を公表しないよう求める。」などと記載するなどしてください。
※ただし、匿名で内部告発する場合は監督官庁としてもその告発内容の信ぴょう性を確認できず単なる「情報提供」や「いたずら」などとしか判断しない可能性もありますので注意してください。また、仮にこのように記載したとしても監督官庁が確実に氏名を秘匿してくれるかは保証できませんのでご自身の判断で申出を行ってください。
申出書の記載要領
(1)申出書の様式
貨物自動車運送事業者法に違反する事業者を監督官庁に申告する申出は法律で定められた手続きではありませんので、その情報提供に使用する申出書についても定型の様式は存在しません。
そのため過積載などの違法行為を監督官庁に内部告発する場合の申出書も適宜な書式で記載しても構いませんが、このサイトでは上記のような様式で記載することにしています。
(2)申出書の提出先
前述したように運送業者の過積載などを規制する貨物自動車運送事業者法に違反する事業者の違法行為の告発先(情報提供先)は国土交通省に設置されている公益通報窓口に対して行うことになっています。
なお、申出書を送付する国土交通省の公益通報窓口の具体的な住所は消費者庁のこちらのページに掲載されています。
(3)申出の根拠
運送会社の過積載および従業員に対する過積載による運送の指示については貨物自動車運送事業者法の第17条2項で明確に禁止されています。
一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の最大積載量を超える積載をすることとなる運送(以下「過積載による運送」という。)の引受け、過積載による運送を前提とする事業用自動車の運行計画の作成及び事業用自動車の運転者その他の従業員に対する過積載による運送の指示をしてはならない。
そしてこの貨物自動車運送事業者法に違反する運送業者があるときは、国土交通大臣はその違反する自動車(トラック等)の使用の停止や一般貨物自動車運送事業の許可を取消すこともできますので(貨物自動車運送事業者法第33条)、国土交通省に対して過積載という違法行為が行われていることを情報提供(内部告発)することにより、勤務先の運送業者の違法行為を改善させることが可能となります。
国土交通大臣は、一般貨物自動車運送事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以内において期間を定めて自動車その他の輸送施設の当該事業のための使用の停止若しくは事業の全部若しくは一部の停止を命じ、又は第三条の許可を取り消すことができる。
第1号 この法律(省略)に違反したとき。
第2号(省略)
なお、このページでは運送会社に勤務している従業員が”内部告発”を行う場合を想定して申出書の記載例を作成していますが、貨物自動車運送事業者法に違反する行為の監督官庁に対する情報提供の申出は法律上制度化された申出ではありませんので、その違法行為を行っている運送会社の従業員に限らず、その運送業者と直接関係のない一般の人でもその違法行為を申出ることは可能です。
(4)過積載した場合の罰則等
なお、貨物自動車運送事業者法で禁止された過積載による運送を行ったことを理由として国土交通大臣から輸送施設の使用の停止又は事業の停止の命令が出されたにもかかわらず、その業務停止命令に違反して業務を継続したような場合(例えば過積載を理由に国土交通省から運送事業の一部の停止が命じられたにもかかわらず、密かにその停止を命じられた運送業務を行った場合など)には、一年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金(又はこれを併科)に処せられる場合があります(貨物自動車運送事業者法第71条1号)。
(5)内部告発を行う場合の注意点
なお、内部告発をする際の注意点などについては『内部告発(公益通報)の正しい方法と順序』のページを参考にしてください。