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お客や違う会社の社員からいじめを受けている場合の対処法

勤務先の会社におけるイジメと聞くと、上司や同僚、場合によっては部下からの嫌がらせを想定しがちですが、実際にはそのような会社内部の人間が加害者になっている場合に限られるものではありません。

場合によってはその会社のサービスを利用している「お客」からイジメを受けている人もいるでしょうし、取引先の社員や出入り業者の従業員、同じビルで働く他の会社の社員などからイジメや嫌がらせを受けている人もいるのではないかと思われます。

(たとえば、お客や取引先の社員から暴言を言われたり屈辱的なあだ名で呼ばれているとか、出入りの運送業者から精神的または肉体的な嫌がらせを受けているなど)

そこで今回は、自分が勤務している会社に所属していない外部の人間(お客や他社の社員など)から職場いじめや嫌がらせを受けている場合にはどのような対処方法をとればよいかといった問題について考えてみることにいたしましょう。

※なお、お客や取引先の社員などから「セクハラ」を受けている場合の対処法については『お客や取引先の社員からセクハラを受けた場合の対処法』のページを参考にしてください。

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勤務先の会社以外の人からいじめ・嫌がらせを受けている場合の対処法も会社内部の人からのイジメや嫌がらせの場合と全く同じ

結論から言うと、勤務先の会社に勤務していない「お客」や「取引先の社員」「出入り業者の従業員」などからいじめや嫌がらせを受けている場合についても、勤務先の「上司」や「同僚」「部下」などからいじめや嫌がらせを受けている場合と全く同じ対処法をとることになります。

なぜなら、使用者(会社・雇い主)には、その雇用している労働者(社員・従業員)が精神的にも肉体的にも安全に労働することが出来るように必要な配慮をすることが義務付けられていますから(労働契約法第5条)、その労働者が精神的・肉体的に安全を確保できない場合には、その原因が会社の外にある場合であっても適切に必要な配慮をしなければならないからです。

【労働契約法第5条】
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

そのため、仮に職場でイジメや嫌がらせを受けている労働者がいる場合には、そのイジメや嫌がらせの加害者がその会社に勤務している従業員であろうとなかろうと、その会社はイジメや嫌がらせに対して適切な対処をとることが義務付けられることになります。

もちろん、そのいじめの加害者がその会社の顧客(お客)であったり、会社経営上の重要な取引先の従業員であったとしても例外ではなく、会社はそのいじめや嫌がらせを放置することは許されません。

もし仮に、お客や取引先の社員や出入り業者の従業員からイジメや嫌がらせを受けているという相談を受けた会社がその苛めに適切な対処をせず必要な配慮をしない場合には、その会社は法律に違反する違法な行為を行っているということになりますので、そのいじめの被害者は勤務先の会社に対して損害賠償請求をすることも可能となります。

(※この場合、いじめや嫌がらせの直接的な加害者はいじめや嫌がらせを行っている本人(この場合はお客や取引先・出入り業者の従業員)ですからそのいじめの加害者本人に慰謝料等を求めていくことも可能ですが、そのイジメや嫌がらせを放置している勤務先の会社に対しても慰謝料等の損害賠償を請求することも可能になるということです。)

「お客」や「取引先の社員」「出入り業者の従業員」からイジメや嫌がらせを受けている場合の具体的な対処法

前述したように、「お客」や「取引先の社員」「出入り業者の従業員」からイジメや嫌がらせを受けている場合にも、その勤務している使用者(会社・雇い主)は適切に対処(いじめや嫌がらせを止めさせるなど)することが義務付けられていますから、「お客」や「取引先の社員」「出入り業者の従業員」からイジメや嫌がらせを受けた場合についても、勤務している会社に対してイジメや嫌がらせに適切に対処するよう求めていくのが基本となります。

なお、勤務している会社がいじめや嫌がらせに適切に対処しない場合には、労働局に紛争解決援助の申立を行ったり、ADR(裁判外紛争解決手続き)や弁護士に依頼して裁判や調停を行ってイジメや嫌がらせを放置している(あるいはいじめに対する対処が不十分)勤務先の会社の責任を追及したり、いじめや嫌がらせを行っている加害者本人に対して慰謝料請求をするなどの方法をとることになりますが、この点については社内の同僚や部下からイジメや嫌がらせを受けている場合の対処法と全く同じになりますので、社内の人間からイジメや嫌がらせを受けている場合の対処法を解説した『職場いじめ・社内いじめを受けている場合の対処法』のページを参考にしてください。