このページでは、準備や掃除の時間について賃金や時間外の割増賃金が支払われていない場合に、労働局に対して個別労働関係紛争の解決に関する援助を申し込む場合の申立書の記載例(ひな形・書式)を公開しています。
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会社が準備や着替え、掃除などの時間について時間外の割増賃金を支払ってくれない場合における労働局への個別労働紛争解決援助の申立書の記載例
〇〇労働局長 殿
個別労働関係紛争の解決に関する援助申立書
(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第4条に基づく)
平成〇年〇月〇日
申立人(労働者)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 神奈川県川崎市中原区〇〇町〇番〇号
氏名 小木津川令留子
電話番号 090-****-****
被申立人(事業主)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 東京都品川区〇〇町〇番〇号
名称 株式会社サーティーミニッツ
代表者 芳養玖古伊蔵
電話番号 03-****-****
1 紛争解決の援助を求める事項
始業前の準備・着替え・掃除の時間についても時間外の割増賃金を支払うよう、事業主に対する助言・指導を求める。
2 援助を求める理由
被申立人は、大手電機メーカー向けの電子部品を制作している従業員108名の株式会社であり、大田区の本社工場において電子部品の設計・製造・営業などすべての業務を執り行っている。
申立人は、平成〇年〇月に電子部品製造担当社員として入社し、製品の出荷前チェックや在庫管理などを主な業務として勤務しているが、被申立人の会社では全ての従業員が始業時刻の30分前に出社し、作業着に着替えた後事業所内の清掃を行ってラジオ体操に参加することが慣例化されていたため、申立人も毎朝必ず始業30分前に出社するようになった。
この始業前30分間については上司の指示があって出勤しているものであるが、被申立人の「自分たちが働く場所をきれいにするのは当たり前」「始業時間が始まる前に仕事ができる状態に準備しておくのは当然」という考えから、一切時間外の割増賃金は支払われていない。
しかしながら、会社の指揮命令下に置かれている状況にある時間は全て「労働時間」に当たるとはずであり(三菱重工業長崎造船所事件:最高裁平成12年3月9日)、上司の指示で始業前に出社している以上、始業前の準備・着替・清掃・ラジオ体操の時間についても労働時間に当たり賃金が支払われるべきである。
よってこのような被申立人の行為は、労働基準法第37条第1項に違反する。
3 紛争の経過
申立人は平成○年○月○日に入社した際、上司から「うちの会社では始業時間の30分前に出社して作業着に着替えたのち工場の清掃をしてからラジオ体操に参加することになっているから君も明日から早く出社するように」と指示されたため、入社日の翌日から始業時刻の30分前に出社するようになった。
申立人は、当初から上司の指示に基づいて始業時刻の30分前に出社していたことから、当然30分間の早朝手当(時間外勤務の割増賃金)が支払われると考えていたが、入社から現在に至るまで、一度も早朝の30分間にあたる時間外手当が支払われたことがない。
これに関し申立人は平成○年○月○日、早朝の30分間について時間外手当が支払われないことに疑問を感じたため、市役所で開催されていた無料の法律相談会に出向き弁護士に相談したところ、「会社からの指示で出勤しているのであればたとえ準備や着替え、体操の時間でも労働時間に該当し賃金が支払われなければならない」との趣旨の回答があったことから、同年○月○日、上司の○○(課長)に対し「始業前の準備や着替え、ラジオ体操の時間について早朝手当が付かないのはおかしくないですか?」と質問し、早朝の30分間について割増賃金を支払うよう要請した。
しかし上司は、「自分たちが働く場所をきれいにするのは当たり前だろ」「始業時間が始まる前に仕事ができる状態に準備しておくのは当然だ」「ラジオ体操は従業員が怪我をしたり病気にならないようにしてやってるんだからそれに賃金を支払われるわけないだろ」などと言うのみで早朝の30分間について時間外の割増賃金の支払いを明確に拒否し続けている。
4 添付資料
・タイムカードの写し 12通(過去1年分)
・給与明細書の写し 12通(過去1年分)
以上
※上記の事例では、始業時刻の30分前に出社していることを証明するためにタイムカードの写しを過去1年分、また、始業時刻前30分間の時間外割増賃金が支払われていないことを証明するために給与明細書を過去1年分添付することとしています。
※ただし、添付書類は必ずしも申し立てに必要なものではありませんので、添付する書類がない場合は削除しても構いません。
※官公庁では全ての書類をA4で統一しているためプリントアウトはA4を利用すること。