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就業規則の変更届出違反の労働基準監督署の申告書の記載例

このページでは、就業規則の変更が労働基準監督署に届け出られていない場合(または、届け出がなされていたとしても労働組合や労働者の過半数を代表する者の意見を聴いたと嘘の届け出をしている)に、労働基準監督署に対して違法行為の是正申告を行う場合の申告書のひな形(文例)を公開しています。

適宜、ワードなどの文書作成ソフトに打ち込んでご自由に利用してください。

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なお、この書式例(ひな形例)は当サイト管理人が個人的な見解で作成したものです。この書式例(ひな形例)を使用して生じる一切の損害につき当サイトの管理人は責任を負いませんのでご了承のうえご使用ください。

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就業規則の変更が労働基準監督署に届け出られていないことに関する労働基準監督署への違法行為の是正申告書の記載例


〇〇労働基準監督署長 殿

労働基準法違反に関する申告書

平成〇年〇月〇日

申告者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 神奈川県横浜市青葉区〇〇町〇番〇号
氏名 知久留子
電話番号 090-****-****

違反者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 東京都大田区〇〇町〇番〇号
名称 株式会社コッソリーファクトリー
代表者 登戸毛仙蔵
電話番号 03-****-****

労働基準法104条1項に基づき、下記のとおり労働基準法に違反する事実の申告を行います。

1 当事者

違反者は、ペットの犬猫用玩具等を製造・販売する従業員15名の株式会社であり、大田区の本社工場にて製品の開発及び販売業務を営んでいる。

申告者は、平成〇年〇月に玩具製造補助のアルバイト従業員として入社し、猫用の玩具や猫タワーの製造補助業務を主な職務として勤務している。

2 労働基準法に違反する事実

違反者は平成○年○月○日、就業規則を変更することによりアルバイト従業員の時給を1,000円から950円に引き下げた。これに対し申告者は、違反者に労働基準監督署に提出した就業規則の変更届出書の控えの写しを閲覧させるよう求めたが、違反者は「控えはない」旨回答して変更届出書の控えの写しを見せようとしない。そのため申告者が不振に感じ、申告者以外の全ての従業員に確認をとったところ、労働者の過半数を代表する者として当該就業規則の変更に意見を述べた者はいなかったことから、違反者が就業規則の変更を労働基準監督署に届け出ていないか、又は労働者の過半数を代表する者の意見を聞かずに就業規則の変更を届け出ているものであることが明らかとなった。なお、違反者の会社では労働組合は組織されていない。

3 是正措置の申立

違反者の行為は、労働基準法第89条及び同法第90条に違反する。よって、速やかに調査を行うとともに是正措置をとられるよう求める。

4 添付資料

就業規則の規定を変更し時給を引き下げる旨記載された辞令書の写し  1通

5 備考

本件申告をしたことが違反者に知れると勤務先で不当な扱いを受ける恐れがあるため、違反者に対しては申告者の氏名を公表しないよう求める。

以上


※1「当事者」の欄

当事者の欄は、会社や自分の業務に合わせて適宜書き直してください。

なお、匿名で申告したい場合は申告者の欄は空欄のまま提出しても構いません。

≫ 労働基準監督署に提出する違法行為の是正申告書の書き方

※2「労働基準法に違反する事実」の欄

労働基準法に違反する事実の欄は、会社の違反する事実に応じて適宜書き換えてください。

※上記の記載例では、就業規則を変更する場合は変更した就業規則を労働基準監督署に届け出なければならない(労働基準法第89条)にもかかわらず届出をしていない可能性が高いこと(※届出書の控えを請求しても交付しなかったから)、また、就業規則の変更を行う場合は労働組合か労働者の過半数を代表する者の意見を聞いたうえで書面を作成したうえで労働基準監督署に届け出なければならない(労働基準法第90条)ところ、その届け出がなかったことが明らかとなったこと(労働者の過半数を代表する者として意見を述べたものがいなかったから)が、就業規則の変更が労働基準監督署に届け出されていないことを間接的に証明できる事実として考えられたと、いう設定で記載しています。

なお、会社と交渉した経緯などがあればそれも記載しておいた方が良いですが、会社への愚痴などをだらだらと長く書くのは禁物です。あくまでも簡潔に記載することを心掛けてください。

※3「是正措置の申立」の欄

是正措置の申立の欄には、会社の行為が労働基準法の何条(何項)に違反するのかを記載します。

上記の記載例では、会社が就業規則の変更につき「労働者の過半数を代表する者の意見を聞かなかった」ことと「労働基準監督署に就業規則の変更を届け出ていない(もしくは届け出ていたとしても労働者の過半数を代表する者の意見を聴いたと嘘の届け出をしている)」ことが、就業規則を変更する場合は労働組合か労働者の過半数を代表する者の意見を聞いたうえで書面を作成したうえで労働基準監督署に届け出なければならないと規定した労働基準法第89条と第90条の第1項と第2項に違反するものとして記載しています。

【労働基準法第89条】

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合についても、同様とする。

第1号(省略)
第2号 賃金(臨時の賃金を除く。以下この場合について同じ。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締め切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項。
(以下省略)

【労働基準法第90条】

第1項 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。

第2項 使用者は、前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。

なお、労働基準監督署への違法行為の是正申告は労働基準法という法律に違反する事実を申告する手続きになりますので、会社が労働基準法のどの条文に違反しているのか分からない場合は、いったん弁護士などの法律専門家に相談した方がいいかもしれません。

※4「添付書類」の欄

添付書類の欄には、労働基準法違反の事実を証明するようなものを記載します。

添付書類なので、当然ながらこの欄に記載した書面についてはこの申告書と合わせて提出(添付)しなければなりません。

上記の文例では、就業規則の変更がなされていることを証明するために、「就業規則の規定を変更し時給を引き下げる旨記載された辞令書の写し」を添付することにしてみました。

なお、添付書類として提出する文書の「原本」は裁判になった際に使用する可能性がありますので、原本ではなく「写し(コピー機で複写したもの)」を提出するようにした方が良いでしょう。

※5「備考」の欄

労働基準監督署への違法行為の是正申告は、労働基準監督署には氏名を明らかにしつつ会社には匿名にして申告することも可能です。

≫ 労働基準監督署に提出する違法行為の是正申告書の書き方

是正申告したことを会社に知られても構わない場合は備考の欄は削除しても構いません。

なお、このページに掲載した申告書の詳しい説明については『就業規則が変更されて賃金が減額されたときの対処法』のページでご確認ください。