このページでは、妊娠や出産に関する事由を理由として降格や減給、派遣切りや解雇などの処分を受けた際に、その不利益な処分の無効を主張し、あわせてその処分の撤回を求める通知書(申入書)のひな形(書式)を公開しています。
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産前休暇を取得したことを理由とする降格処分の無効を主張し、併せてその降格処分の撤回を申し入れる通知書
〇〇株式会社
代表取締役 〇〇〇〇 殿
降格処分の無効および撤回を求める通知書
私は、貴社より、平成〇年〇月〇日付辞令により、平成〇年〇月〇日をもって課長職から一般職への降格通知を受けました。
この降格処分につき直属の上司である〇〇(部長)に確認したところ、私が昨年○月に長女を出産する際、期間6週間の産前休暇を取得したことが理由ということでございました。
しかしながら、男女雇用機会均等法第9条3項に規定されているとおり、事業主は女性労働者が産前休業を取得したことをもって不利益な取り扱いをしてはならないのであって、貴社の行った降格の処分は法律に違反するものであると考えられます。
よって、貴社の行った降格処分は無効なものでありますから、直ちに本件降格処分を撤回するよう申し入れます。
平成〇年〇月〇日
〇〇県〇〇市〇〇町〇‐〇
(〇〇部〇〇課)〇〇 〇〇 ㊞
育児休業(産後休暇)の取得を申請したことを理由に受けた減給処分の無効及び撤回を求める通知書
〇〇株式会社
代表取締役 〇〇〇〇 殿
減給処分の無効および撤回を求める通知書
私は、貴社より、平成〇年〇月〇日付懲戒処分通知書により、平成〇年〇月から〇月までの期間、支給される給与からその〇%が差し引かれる減給の懲戒処分を受けました。
この減給処分につき、貴社から受け取った懲戒処分通知書には、貴社においては育児休業(産後休暇)は4週間に限り認められているところ、私が昨年○月に長女を出産する際、上司の指示に従わず、期間8週間の育児休業(産後休暇)の取得を申請したことが理由とされております。
しかしながら、法令によれば使用者は産後8週間を経過しない女性を就業させてはならないと規定されており(労働基準法65条2項)、また、女性労働者が産後8週間の育児休業(産後休暇)の取得を請求したことを理由として不利益な取り扱いをしてはならないのであって(男女雇用機会均等法第9条3項)、貴社の行った減給の懲戒処分は法律に違反するものであると考えられます。
よって、貴社の行った減給処分は無効なものでありますから、直ちに本件減給処分を撤回するよう申し入れます。
平成〇年〇月〇日
〇〇県〇〇市〇〇町〇‐〇
(〇〇部〇〇課)〇〇 〇〇 ㊞
派遣社員(B社所属)が妊娠したことを理由に派遣先の企業(A社)が派遣元の企業(B社)に対し派遣労働者の交替を求めた場合に、その無効及び撤回を求める通知書
A 株式会社
代表取締役 〇〇〇〇 殿
いわゆる派遣切りの無効および撤回を求める通知書
私は、平成〇年〇月より、貴社の〇〇工場にて派遣社員として勤務してまいりましたが、貴社は、平成〇年〇月〇日付通知書をもって、平成〇年〇月以降、私が貴社において派遣労働者として就労することを拒否するとともに、私が所属する派遣元のB株式会社に対して、平成〇年〇月〇日付通知書をもって、同年○月〇日以降、私に代わって他の派遣社員を派遣するよう求める通知を行っております。
これらの通知書によれば、貴社が私の就労を拒み、他の派遣社員との交替を求める理由は、私が妊娠したことにより産前産後の労務提供に支障が出ることが予想されるためとされております。
しかしながら、法令によれば事業主は女性労働者が妊娠等したことを理由として当該女性労働者に対して不利益な取り扱いをしてはならず(男女雇用機会均等法第9条3項)、その不利益な取り扱いについては、派遣先が派遣労働者に係る派遣の役務を拒む(派遣労働者の交換を求める)ことも含まれております(労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針第四-3-(2)-ル、同指針第四-3-(3)-ト-①及び②)。
よって、貴社が私が派遣労働者として就労することを拒み派遣労働者の交換を求めたこと(いわゆる派遣切)は法令に違反し無効なものといえますから、直ちに本件派遣切り行為を撤回するよう申し入れます。
平成〇年〇月〇日
〇〇県〇〇市〇〇町〇‐〇
(B 株式会社)〇〇 〇〇 ㊞
※)将来的に裁判になる可能性がある場合は、証拠として残しておくためにコピーを取ったうえで普通郵便ではなく特定記録郵便(場合によっては内容証明郵便)で送付すること。
※)裁判所では全ての書類をA4で統一していますので、後日裁判を起こす可能性がある場合はA4用紙で作成すると後々何かと便利です。