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社内結婚したことを理由に解雇されたら?

会社の同僚と社内恋愛の末に結婚した場合、「夫婦が同じ職場で働くことは風紀を乱す」などといった訳の分からない理由で、どちらか一方に退職するように迫ったり、解雇したりする会社があります。

多くの場合、その対象となるのは女性社員の方だと思われますが、結婚したからと言って社内でイチャつくわけではありませんし、夫(妻)が社内にいることで業務に支障をきたすような理由もないはずです。

そのため、(社内結婚だけに限らず)結婚したことだけを理由として従業員に退職することを迫ったり(退職勧奨)、結婚した従業員を解雇したりすることは違法な解雇(解雇されても解雇自体が無効になる)といっていいでしょう。

男女雇用機会均等法という法律でも「事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない(男女雇用機会均等法9条2項)」と明文で定められていますので、結婚したことを理由とした解雇はできないと考えられます。

しかし、ブラックな企業では、そんな法律はお構いなしに結婚したことを理由として退職を迫ったり(退職勧奨)、解雇したりする場合もあることが考えられます。

そこで今回は、結婚したことを理由として退職を迫られたり(退職勧奨)、解雇されたりした場合の対処法について考えてみることにいたしましょう。

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結婚したことを理由に退職勧奨を受けたり解雇された場合の対処法

1.「退職勧奨を拒否する通知書」や「解雇の無効・撤回通知書」などを郵送しておく

まず、結婚をしたことを理由にしつこく退職を迫られたりした場合には「退職勧奨を拒否する通知書」を、また結婚したことを理由に解雇された場合には「解雇の無効通知書」を会社に郵送しておくようにします。

退職を迫る会社は際限なく退職を迫り続けると思いますので、そのような退職勧奨をやめさせるには「退職はしませんので退職勧奨はやめてください」と意思表示をすることは大切です。

また、結婚を理由に解雇された場合には、その解雇が無効であることを会社に伝え、解雇を撤回するよう要求することも必要です。

「退職勧奨を拒否する通知書」や「解雇の無効通知書」などを郵送しておけば、会社の行った退職勧奨や解雇に応じないという意思表示を明確にすることで、退職勧奨や解雇を承諾した(黙認した)と受け取られるのを防ぐことができます。

結婚を理由とする退職勧奨を拒否する通知書【ひな形・書式】

退職勧奨(肩たたき)を拒否する通知書【ひな形・書式】

結婚(婚姻)を理由とした解雇の撤回を求める申入書の記載例

解雇の無効・撤回通知書【ひな形・書式】

なお、退職勧奨に応じて退職届を出してしまっている場合は退職届の撤回通知書を郵送しておく必要があるでしょう。

退職届の撤回通知書【ひな形・書式】

退職届を撤回することはできるのか?

2.会社に「退職の理由を記載した証明書(※解雇の場合は解雇理由の証明書)」を発行するよう求める

次に、結婚したことを理由に退職勧奨(退職するよう迫られること)を受けたり解雇された場合には、会社に対して「退職の理由を記載した証明書(※解雇の場合は解雇理由の証明書)」を交付するよう請求するようにしましょう。

会社は、労働者から「退職の理由を記載した証明書」の交付を請求された場合は必ずこれを発行しならず(労働基準法22条2項)、また「退職の理由を記載した証明書」には退職の理由が解雇の場合にはその解雇の理由も記載しなければなりませんから(労働基準法22条1項)、退職する時点で会社が退職の理由(解雇なら解雇の理由)を特定させることができます。

これをやっておかないと、結婚を理由に解雇や退職をさせられた場合であっても、後になって会社が「いや、解雇したのは結婚したことが理由ではなくて本人の勤務態度が悪かったからですよ」などと解雇や退職の理由を変更して問題が複雑になってしまう可能性があります。

退職する際に「退職の理由を記載した証明書」を発行させておけば、後になってから会社が退職や解雇の理由を変更することを防ぐことができますので忘れずに請求しておきましょう。

解雇の理由の証明書の交付を請求する通知書【ひな形・書式】

3.労働局に会社の違法行為に対する援助・指導・勧告を求める

事業主が男女雇用機会均等法に違反することを行っている場合には、各都道府県に設置されている労働局に対して、違法行為の紛争解決に関する援助・指導・勧告を求めることができます(男女雇用機会均等法17条)。

この点、前述したように結婚を理由に解雇したり退職を強要する行為も男女雇用機会均等法に違反することになりますので、会社から結婚を理由に解雇や退職勧奨を受けている場合も労働局に紛争解決の援助の申立をすることが可能です。

労働局への紛争解決援助の申立によって労働局が会社に対して指導や助言を行ってくれれば、雇や退職の強要を撤回する場合もありますので、労働局に援助・指導・勧告を求める申立を行うことによって早期に解決が図れる可能性もあります。

なお、労働局に対する援助・指導・勧告を求める申立書の書き方についてはこちらのページを参考にしてください。

結婚したことを理由に解雇された場合の労働局の申立書の記載例

4.早めに弁護士などの法律専門家に相談する

会社が結婚を理由に退職を迫ったり、解雇したりする場合には、その退職勧奨(退職を迫ること)や解雇は明らかな法律違反(男女雇用機会均等法9条2項)といえます。

そのため、このような退職勧奨や解雇を受けてしまい、会社に交渉しても会社がそれを止めない場合には、早めに弁護士などの法律専門家に相談し、適切な対処を取る方が解決への最短の近道になる可能性が高いです。

法律の知識がないまま会社と交渉し続けると、あらぬ揚げ足を取られ、後になって裁判で不利な状況に陥ってしまうということも考えられますので、依頼する市内は別にして、早めに法律専門家に相談しておくことも無駄ではないと思います。

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