セクハラ冤罪で受けた処分に関する労働局の援助申立書の記載例


バインダーと白紙

このページでは、セクハラをした事実が全くないにもかかわらず、他の社員の虚偽の申告によって身に覚えのないセクハラの嫌疑をかけられ、それに伴って勤務先の会社から不利益な処分(降格や配置転換、解雇など)を受けた場合に、その勤務先の行った不当な処分の撤回を求めるために、労働局に対して紛争解決の援助を求める場合の申立書の記載例(ひな形・書式)を公開しています。

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セクハラの冤罪で会社から降格や配転・解雇などの処分を受けた場合にその処分の撤回を求めるために労働局に紛争解決援助を求める場合の申立書の記載例

〇〇労働局長 殿

紛争の解決に関する援助申立書
(個別労働紛争の解決の促進に関する法律第4条に基づく)

平成〇年〇月〇日

申立人(労働者)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 福岡市早良区〇〇一丁目〇番〇号
氏名 八手奈伊蔵
電話番号 090-****-****

被申立人(事業主)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 福岡市中央区〇〇三丁目〇番〇号〇〇ビル〇階
名称 飯和気機関株式会社
代表者 飯和気須瑠奈
電話番号 092-****-****

1 紛争解決の援助を求める事項

佐賀工場への配転命令を撤回するよう事業主に対する助言・指導を求める。

2 援助を求める理由

 被申立人は人力車の自動運転システムにおける内燃機関の開発及び製造を行う従業員90名の株式会社であり、福岡市中央区の本社営業所にて内燃機関の設計および開発を行っているほか、佐賀県唐津市の佐賀工場において製品の製造を行っている。
 申立人は、平成〇年〇月に自動運転システムのシステム設計プログラマとして入社し、本社営業所において人力車の速度抑制装置システムの開発に関する一般社員として勤務していたが、平成○年○月中旬、経理部の女性社員が申立人からセクハラを受けたと申告したことを発端として自宅謹慎を命じられ、セクハラの被害に遭ったと主張する女性の就業環境の保護の観点から必要という理由から、翌〇月をもって佐賀工場に配置転換となる旨の辞令を受ける結果となった。
 しかしながら、このセクハラの問題については申立人には一切身に覚えのないことであり、申立人が当該女性社員に対してセクハラに該当するような性的な言動を行ったことは一切ないから、本件に関して申立人が配置転換されなければならない理由はない。
 また、厚生労働省の告示(平成18年厚生労働省告示第615号)によれば、事業主が職場におけるセクハラの相談を受けた場合においては、相談者と行為者との間で事実関係に関する主張に不一致があり、当事者以外の第三者からの事実関係の聴取を行っても事実関係の確認が困難な場合には、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第18条に基づく調停の申請その他中立的な第三者機関に紛争処理を委ねることが求められているが、被申立人は申立人の冤罪の主張を一切顧みることなく、その事実関係が不確かであるにもかかわらず労働局など第三者機関に紛争処理を委ねることをせずに一方的に本件処分を行っているのであるから、その処分は明らかに同告示の趣旨に違反する違法なものであるといえる。

3 紛争の経過

 申立人は平成○年○月中旬、上司である〇〇から「君からセクハラを受けたという相談があったから調査が終わるまで自宅で待機してほしい」という旨の告知を受け、事実上の自宅謹慎を命じられた。
 これに対し申立人はセクハラを行った事実はなかったことから自身の潔白を主張したが、上司から「君が出社すると社内が混乱するから調査が終わるまで我慢してほしい」と説得されたため、渋々ではあるが自宅謹慎に応じた。
 その1週間後の○月下旬、申立人は上司である〇〇から電話を受け、翌月から佐賀工場での勤務に配置転換になったことを伝えられた。申立人はセクハラについては事実無根であるため自身が配置転換しなければならない理由はない旨反論したが、上司の〇〇は「セクハラが100%あったという証拠はないが、相手の女性が被害を受けたと言っている以上これ以降も同じ職場で勤務させることはできないからしょうがない。会議で決まったことだからもうどうにもできない。」と言うのみで配置転換の処分を撤回しようとしない。
 なお、前述したように厚生労働省の告示(平成18年厚生労働省告示第615号)ではセクハラの相談があった場合に事実確認が困難な場合には、事業主は労働局の調停その他中立的な第三者機関に紛争解決を委ねる必要があるが、被申立人はそのような第三者機関の介入措置をとることなく一方的に申立人に対して配置転換を命じている。

4 添付書類

佐賀工場への配置転換を命じた辞令書の写し 1通

以上

※添付書類は必ず必要なものではありませんので、添付する書類がない場合は削除しても構いません。

※「援助を求める理由」の欄について

援助を求める理由の欄には、会社側がどのような法律違反行為を起こしていて、どのような解決方法を求めているのか、といったことを記載します。

上記の事例では、セクハラの事実がないにもかかわらず、セクハラの被害を受けたと主張する社員の言葉だけを根拠として配置転換を命じられたこと、および厚生労働省の出している告示(平成18年厚生労働省告示第615号)では事業主が従業員からセクハラの相談を受けた場合においてその事実関係の確認が困難な場合には労働局の調停を利用するなど中立的な第三者機関に解決を委ねることが求められているにもかからわず、そのような対処を取らずに被害者の主張だけを鵜吞みにして配置転換の処分をしていることからそのような不当な処分は厚生労働省の告示の趣旨に違反する違法な処分であるという文章にしています。

なお、この点の具体的な問題点についてはこちらのページで詳細に解説していますので参考にしてください。

▶ 身に覚えのないセクハラで処分された場合の対処法

※「紛争の経緯」の欄について

紛争の経緯の欄には、会社との間に発生した紛争がどのようなきっかけで発生し、会社とどのような交渉を行ってきたのか、ということを記載します。

上記の事例では、申立人が一方的に自宅謹慎を命じられたことや自身がセクハラについて潔白であることを主張しているにもかかわらず、厚生労働省の告示で求められている第三者機関の介入なども経ないままに佐賀工場への配置転換を命じられたことを時系列で記載しています。

※「添付書類」の欄について

添付書類の欄には、会社との間で発生している紛争の内容を証明するような資料があれば、その資料を記載します。

上記のように、ある事実(この件ではセクハラ)が「なかった」ことを発端とするトラブルでは、そのような事実が「なかった」ことを明らかとするような文書等は存在しないことが通常ですから、上記の事例では、配置転換を命じられたことを明らかとするために「佐賀工場への配置転換を命じた辞令書」の写しを添付ことにしています。

(※「写し」を添付するのは後で裁判などに発展した際に「原本」を使用することがあるからです。労働局への申立に証拠の原本は特に必要ありませんから、提出する書類(又はデータ)のコピーを取って、そのコピー(写し)を提出する方が無難です。)

なお、労働局への紛争解決援助の申立は裁判所における”裁判”とは異なりますから、必ずしも会社の違法性を証明する証拠がなければ申立できないというわけではありません。添付書類として添付出来るような書類等がない場合には、添付書類の欄には「特になし」と記載して申立を行っても全く問題ありません。

様式について

労働局に対する援助の申立書に定型の様式は設けられておらず、各都道府県の労働局によってその様式が異なっているようです。

上記の様式で提出しても問題ないと思いますが、たとえば東京労働局で使用されている申立書の様式は東京労働局のサイトからダウンロード(Word)できますので、その様式を使用して提出するのもいいのではないかと思います(東京労働局で使用されている様式を他の労働局で使用しても受け付けてもらえると思います)。

様式 | 東京労働局

もっとも、実際に労働局に対して援助の申立書を提出する場合は、申し立てを行う労働局に事前連絡や相談を行う場合が多いと思いますので、その相談する際に労働局で申立書のひな形をもらうなどした方が良いでしょう。