このページでは、会社が残業代を支払わない場合に、労働基準監督署に対して違法行為の是正申告を行う場合の申告書の記載例(ひな形・文例)を公開しています。
適宜、ワードなどの文書作成ソフトに打ち込んでご自由に利用してください。
コピペ(コピーアンドペースト)しても構いませんが、著作権を放棄するわけではありませんので無断転載や配布などは禁止します。
なお、この記載例(書式・ひな形例)は当サイト管理人が個人的な見解で作成したものです。
この記載例(書式・ひな形例)を使用して生じる一切の損害につき当サイトの管理人は責任を負いませんのでご了承のうえご使用ください。
残業代の未払いに関する労働基準監督署への違法行為の是正申告書の記載例
〇〇労働基準監督署長 殿
労働基準法違反に関する申告書
平成〇年〇月〇日
申告者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 神奈川県横浜市〇〇町〇番〇号
氏名 畑良紀杉郎
電話番号 090-****-****
違反者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 東京都品川区〇〇町〇番〇号
名称 悪徳興業株式会社
代表者 古木津飼蔵
電話番号 03-****-****
労働基準法104条1項に基づき、下記のとおり労働基準法に違反する事実の申告を行います。
記
1 当事者
違反者は健康食品の開発及び通信販売を行う従業員20名の株式会社であり、品川区の本社ビルに営業部がある他、荒川区に物流センターが設けられている。
申告者は、平成〇年〇月にテレホンオペレーターとして入社し、電話による注文受付業務のサービス員として勤務している。
2 労働基準法に違反する事実
申告者らテレホンオペレーターとして勤務する従業員の所定労働時間は、午前9時から午後5時までとなっているが、注文が急増したことを受け、上司の指示により本年○月ごろから毎日約2時間の時間外労働を行っている。しかし、違反者は「1日の残業時間は1時間までと決められており上司からの残業指示も1時間だけの残業を命じたものだ。1時間を超過する残業は上司の承諾を得ずになされたものであるからその超過した分の残業については賃金は発生しない」として、各日1時間分の残業代しか支払われない。
3 是正措置の申立
違反者の行為は、労働基準法37条に違反する。よって、速やかに調査を行うとともに是正措置をとられるよう求める。
4 添付資料
タイムカードの写し 1通
上司から午後7時まで残業するよう命じられた際に受け取った社内メールをプリントアウトしたもの 1通
5 備考
本件申告をしたことが違反者に知れると勤務先で不当な扱いを受ける恐れがあるため、違反者に対しては申告者の氏名を公表しないよう求める。
以上
※「当事者」の欄
当事者の欄は、会社やご自身の会社の業務に合わせて適宜書き直してください。
なお、匿名で申告したい場合は申告者の欄は空欄のまま提出しても構いません。
※「是正措置の申立」の欄
是正措置の申立の欄には、会社の行為が労働基準法の何条(何項)に違反するのかを記載します。
この事例では、残業代の未払い(不払い)が問題となっており、残業代の未払い(不払い)は、労働基準法のうち時間外労働の割増賃金について規定された第37条に違反することになりますので「労働基準法37条に違反する」という文章になっています。
労働基準監督署に対する違法行為の是正申告は、会社が労働基準法という法律の条文に違反していることが前提となりますので、どの条文に違反するか分からない場合は、いったん弁護士などの法律専門家に相談した方がいいかもしれません。
※「添付書類」の欄
添付書類の欄には、労働基準法違反の事実を証明するようなものを記載します。
添付書類なので、当然ながらこの欄に記載した書面についてはこの申告書と合わせて提出(添付)しなければなりません。
上記の文例では、残業代の未払い(不払い)を証明する場合は、時間外労働を何時間行ったかということを証明する必要がありますので、タイムカードの写しを添付し、また会社が「残業は1時間しか支持していない」と反論していますので、2時間の残業を行うよう指示を受けたことを証明するため社内メールをプリントアウトしたものを添付することにしてみました。
なお、添付書類として提出する文書の「原本」は裁判になった際に使用する可能性がありますので、労働基準監督署に対しては原本ではなく「写し(コピー機で複写したもの)」を提出するようにした方が良いでしょう(※タイムカードの原本は持ち出すことはできないので、タイムカードを証拠として添付する場合は裁判の予定がない場合でもタイムカードの写しを監督署に提出することになります)。
※「備考」の欄
労働基準監督署への違法行為の是正申告は、労働基準監督署には氏名を明らかにしつつ会社には匿名にして申告することも可能です。
是正申告したことを会社に知られても構わない場合は備考の欄は削除しても構いません。
なお、このページに掲載した申告書の詳しい説明については『時間外手当(割増賃金・残業代)の請求方法』のページでご確認ください。