広告

性同一性障害者の女装男装に関する労働局の申立書の記載例

このページでは、性同一性障害の労働者が女装(男装)して出社することを制限されていいる場合に、労働局に対して個別労働関係紛争の解決に関する援助を申し込む場合の申立書の記載例(ひな形・書式)を公開しています。

適宜、ワードなどの文書作成ソフトで自由に利用してください。ただし、著作権を放棄するわけではありませんので無断転載や配布などは禁止します。

なお、この書式例(ひな形例)は当サイト管理人が個人的な見解で作成したものです。

この書式例(ひな形例)を使用して生じる一切の損害につき当サイトの管理人は責任を負いませんのでご了承のうえご使用ください。

広告

性同一性障害の労働者が女装(男装)して出社することを禁止されている場合に関する労働局の紛争解決援助申立書の記載例


〇〇労働局長 殿

紛争解決に関する援助申立書
(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第4条に基づく)

平成〇年〇月〇日

申立人(労働者)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 神奈川県横浜市保土ヶ谷区〇〇町〇番〇号
氏名 梨貝史郎
電話番号 090-****-****

被申立人(事業主)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 東京都品川区〇〇町〇番〇号
名称 株式会社マンアンドウーマン・コミュニケーションズ
代表者 阿玉加泰三
電話番号 03-****-****

1 紛争解決の援助を求める事項

性同一性障害者の女装(男装)による出社を認めるよう、事業主に対する助言・指導を求める。

2 援助を求める理由

 被申立人は、トレーニング機器の販売代理業を営む従業員48名の株式会社であり、都内のスポーツジムやスポーツ関連施設への営業販売およびトレーニング機器のメンテナンス業務をおこなっている。
 申立人は、平成〇年〇月に営業職として入社し、新規顧客開拓の営業を主な職務として勤務しているが、性同一性障害のため入社当初から男性用スーツを着用して勤務することに負担を感じていたため、平成○年○月から化粧を施しスカートを着用するなど女性としての容姿で出社し勤務するようになった。
 これに対し被申立人は同年○月○日、部長の○○をして申立人を会議室に呼び出し、女装での出社及び勤務を即座に辞めるよう注意したが、申立人がこれに従わなかったことから同月○日に代表取締役他2名の会社幹部をもって再度申立人を会議室に呼び出し、従わない場合は懲戒事由として就業規則に規定されている「会社の指示・命令に背き改悛しないとき」に該当するため解雇する場合もありうると告知した。
 しかしながら、性同一性障害が医学的にも認知されている社会の現状に鑑みれば、企業においてもその障害に悩む従業員に一定の配慮が求められるべきであるし、仮に性同一性障害の労働者が女装(男装)をして出社したとしてもそれに対して違和感や嫌悪感を持つ従業員や取引先は極めて少数であり、それによって生じる不利益は企業の業務遂行上著しい支障を来たすおそれがあるとまでは言えないはずである(S社事件・東京地裁平成14年6月20日に同旨)。
 したがって、申立人が被申立人の指示に反して女装で出社または勤務したとしても、それを理由に申立人を解雇することはできないと考えられるし、被申立人は性同一性障害で悩む申立人の女装での出社及び勤務に一定の配慮をするべきであるといえる。

3 紛争の経過

 申立人は性同一性障害のためかねてから男装で出社することに抵抗を感じていたため、平成○年○月から化粧を施しスカートを着用するなど女性としての容姿で出社し勤務するようになったが、すぐに直属の上司である○○に会議室に呼び出され、女装での出社及び勤務を即座に辞めるよう注意を受けた。
 申立人はこの際に上司に対して自身が性同一性障害者であることを告白し理解を求めたが「とにかく明日からは絶対に女装での出社はしないように」と繰り返すのみで全く取り合ってもらえなかった。
 申立人はその後も上司の注意を無視して女装で出勤及び勤務することを続けたが、同年○月○日に再び会議室に呼び出され、代表取締役他2名の幹部から「会社の命令に従わない場合は懲戒事由として就業規則に規定されている”会社の指示・命令に背き改悛しないとき”に該当するから解雇するもありうる」と告知され、この際にも自身が性同一性障害であることに理解を求めたが、一切考慮してもらえることはなかった。
 その後申立人は「女装での出社を認めるよう求める申入書」を作成し内容証明郵便で被申立人に送付したが、被申立人からは何らの応答もなく、平成○年○月○日に上司である○○から同年○月末日をもって解雇する旨記載された「懲戒処分に基づく解雇予告通知書」を交付された。

4 添付書類

・女装での出社を認めるよう求める申入書の写し 1通
・懲戒処分に基づく解雇予告通知書の写し 1通

以上


※添付書類は必ずしも添付が必要ではありませんので、添付できる書面等がない場合は削除しても構いません。

なお、添付書類として挙げた「女装(男装)での出社を認めるよう求める申入書」の作成方法については『性同一性障害への理解を求める申入書【ひな形・書式】』のページを参考にしてください。

※官公庁ではすべての書類をA4で統一していますので、プリントアウトする際はA4用紙を利用するようにしてください。

なお、性同一性障害者による女装(男装)での出社に関しては『性同一性障害の人が女装(男装)で出勤するのはダメ?』のページを参考にしてください。