労基署に告発したことを理由に会社から処分された場合の対処法

また、そもそも使用者が労働者を解雇する場合には法律上「客観的に合理的な理由」があり「社会通念上相当」であると認められない限り無効と判断されますし(労働契約法第16条)、減給の場合といった労働条件の変更もその減給を受ける個別の労働者の同意を得ない限り無効と判断されますから(労働契約法第8条)、仮に会社側が「この処分はあなたが監督署に申告したこととは無関係ですよ」と主張してきたとしても、処分を受ける労働者の側がその処分を受け入れない限り、会社側の行った解雇や減給の処分が有効と判断されることはまずありません。

【労働契約法第16条】

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

【労働契約法第8条】

労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。

このように、会社が他の理由をこじつけて不利益な処分をしてきたとしても、ほとんどの場合はその処分は無効と判断されますから、労働基準監督署に違法行為の是正申告を行うに際して会社からの報復措置を恐れる必要はないのではないかと思われます。

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労働基準監督署に違法行為の是正申告を行ったことの報復として解雇や減給などの不利益処分を受けた場合の対処法

前述したように、労働基準監督署に違法行為の是正申告を行ったことの報復として解雇や減給の処分を受けた場合であっても、その処分は違法となり無効なものと判断されます。

しかし、違法で無効な処分であっても、いったん会社からそのような処分が出されてしまった場合には、それを放置していても問題は解決しませんので、以下の方法によって対処することも考えなければならないでしょう。

① 労働基準監督署に再度違法行為の是正申告を行う

前述したように、会社が労働基準法に違反する行為を行っていることを理由として労働基準監督署に違法行為の是正申告を行った場合に、その報復措置して会社が解雇や減給などの不利益処分を行うことは労働基準法で禁止されていますから、仮に労働基準監督署に違法行為の是正申告を行ったことを理由に会社が減給や解雇などの処分を行った場合には、会社は新たな労働基準法に違反する行為を行ったということになります。

そのため、会社が労働基準監督署に違法行為の是正申告を行ったことを理由として減給や解雇などの不利益処分を行った場合には、その報復として不利益処分を行ったこと自体を理由として(別件の事件として)労働基準監督署に違法行為の是正申告を行うことが可能となります。

この場合、違法行為の是正申告を行うことによって監督署が臨検や調査を行うことになれば会社側も違法な不利益処分を撤回することも考えられますので、会社の新たな労働基準法違反行為として違法行為の是正申告を行うことも問題の解決方法として有効と考えられます。

なお、この場合労働基準監督署に提出する違法行為の是正申告書の記載例についてはこちらのページに掲載していますので参考にしてください。

▶ 労基署に申告し会社から処分された場合の労基署の申告書の記載例

② 労働局に紛争解決援助の申立を行う

全国に設置された労働局では、労働者と事業主の間に何らかの紛争が生じた場合には当事者の一方からの申立に基づいて、紛争解決のための助言や指導、あっせんなどを行うことが可能です(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第4条および第5条1項)。

この点、会社の労働基準法違反行為を労働基準監督署に申告したことを理由に解雇や減給などの処分を受けた場合も、事業主と労働者との間に紛争が発生しているということになりますから、労働局に対して「会社から報復措置として違法な不利益処分を受けてしまったので会社に撤回するよう助言してください」と援助の申立を行うことが可能となります。

労働局に対する援助の申立を行い、労働局の助言や指導に従って会社側が態度を改める場合には、会社が違法な不利益処分を撤回する可能性がありますのでこの労働局に対して紛争解決援助の申立を行うことも問題の解決方法として有効でしょう。

ただし、労働局の助言や指導に強制力はありませんので、会社が労働局の指示等に従わない場合には他の方法による解決方法を考える必要があります。

③ 弁護士・司法書士に相談する

労働基準監督署への違法行為の是正申告や労働局への紛争解決援助の申立を行っても会社側が違法な不利益処分を撤回しない場合には、弁護士や司法書士に相談して示談交渉や裁判などを通じて解決することを考えるしかないかもしれません。

なお、労働トラブルに関する法律は全ての弁護士や司法書士が精通しているというわけではありませんので、労働問題を弁護士や司法書士に相談する場合には、労働関係の事件を過去に多く扱ったことがあるか、労働法に精通している弁護士・司法書士を選ぶ方が問題解決への近道になると思われます。

なお、弁護士や司法書士など法律専門家に相談する場合の注意点はこちらのページで解説していますので参考にしてください。

▶ 弁護士?司法書士?社労士?労働トラブルの最適な相談先とは?

なお、会社から解雇や減給など違法な処分を受けた場合の適切な対処法などについてはこちらのページでも解説していますので参考にしてください。

▶ 「給料を下げる」と言われたら?(一方的な賃金引下げの対処法)

▶ 解雇されたときにこれだけはやっておきたい4つのこと

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