弁償費用の給料天引に関する労働局への援助申立書の記載例

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バインダーと白紙

このページでは、仕事上のミスで発生した弁償費用を会社が給料から天引きしている場合に、労働局に対して個別労働関係紛争の解決に関する援助を申し込む場合の申立書の記載例(ひな形・書式)を公開しています。

適宜、ワードなどの文書作成ソフトに打ち込んでご自由に利用してください(裁判所では全ての書類をA4用紙で統一して管理していますので、後日裁判になる可能性がある場合はA4用紙で作成したうえで労働局に提出する前にコピーをとっておくと裁判の際に便利です)。

コピペ(コピーアンドペースト)しても構いませんが、著作権を放棄するわけではありませんので無断転載や配布などは禁止します。

なお、この記載例(ひな形・文例・書式例)は当サイト管理人が個人的な見解で作成したものです。

この記載例を使用して生じる一切の損害につき当サイトの管理人は責任を負いませんのでご了承のうえご使用ください。

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仕事上のミスで発生した弁償費用を会社が給料から天引きしている問題に関する労働局への紛争解決援助の申立書の記載例

〇〇労働局長 殿

個別労働関係紛争の解決に関する援助申立書
(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第4条に基づく)

平成〇年〇月〇日

申立人(労働者)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 神奈川県川崎市中原区〇〇町〇番〇号
氏名 尾猪古千代子
電話番号 090-****-****

被申立人(事業主)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 東京都大田区〇〇町〇番〇号
名称 株式会社天引ファクトリー
代表者 原和瀬留造
電話番号 03-****-****

1 紛争解決の援助を求める事項

給与から天引した仕事上のミスに基づく弁償費用相当額を支払うよう、事業主に対する助言・指導を求める。

2 援助を求める理由

被申立人は、美術品や文化財の補修・復元作業を主な業務としている従業員28名の株式会社であり、大田区の本社作業場においてすべての業務を執り行っている。
申立人は、平成〇年〇月に補修・復元作業担当社員として入社し、美術館や骨とう品収集家等から委託される壺や花瓶、陶磁器などの補修・復元作業を主な業務として勤務しているが、平成○年○月○日、個人収集家から委託された江戸後期制作の壺の修復作業中、誤って壺を落としてしまい修復不可能な損傷を与えてしまったため被申立人が依頼人の個人収集家に弁償費用として金60万円を支払った。
この弁償費用に関し被申立人は、「壺を落としたのはお前の不注意が原因だから弁償費用の半分はお前が負担しろ」と申立人に弁償費用の一部肩代わりを求めるとともに、給与から毎月10万円を3か月に渡って控除することを一方的に通告し、同年○月支払い分から3か月間本来支払われるべき給与から10万円を差し引いた金額しか支払わなかった。
しかしながら、労働者が労働をする過程において通常求められている注意義務を尽くしている場合には、民法709条にいう「過失」は存在しないから不法行為責任は発生しないと考えられるし、事業主が労働者の労働によって利益を上げている以上、労働関係上発生する軽過失に基づく損害は労使間という労働関係上の公平の原則に照らせば事業主は労働者に損害賠償権を行使できないものと考えられるため、被申立人は申立人が業務中に発生させた損害の弁償費用を申立人に対して請求できないはずである(大隅鉄工所事件名古屋地裁昭和62年7月27日に同旨)。
また、仮に申立人がその損害額の一部負担しなければならないとしても、賃金はその全額を直接労働者に支払わなければならないのであって、給料から損害額(弁償額)を天引することは、賃金の全額払いを規定した労働基準法第24条第1項に、また賃金との相殺を禁じた労働基準法第17条に違反する。

3 紛争の経過

申立人は平成○年○月○日、上司からの指示に基づき、依頼人の個人収集家から預かった江戸後期制作と鑑定される時価金80万円相当の壺の修復作業中、壺の入れ物となっている桐箱(箱は明治初頭の制作)から壺を出そうとしたところ、箱が崩れ落ち壺もろとも床に落としてしまう形で壺を破損させた。
被申立人が依頼人に状況説明を行ったところ「箱がもろくなったことについてはこちらも悪かったので時価80万円の損害のうち60万円を弁償してほしい」という返答であったため被申立人は依頼人に金60万円を支払うことで示談を成立させた。
その数日後、申立人は上司の○○(課長)他会社役員2名に会議室に呼び出され、「壺を落としたのはお前の不注意が原因だから弁償費用の半分はお前が負担しろ」と一方的に通告され、翌月分の給与から3か月にわたって金10万円が差し引かれている(なお、給与明細には”賠償金”の名目で控除されている)。
平成○年○月ごろ、申立人が会社が賠償金を給料から天引きすることに疑問を感じたため市役所で行われていた無料の法律相談会で弁護士に相談したところ、「仕事中のミスで損害が発生しても従業員が賠償しなければならない義務はない」「たとえ賠償義務があったとしても給料から天引きすることは明らかな労働基準法違反にあたる」という回答を受けたため、同年○月○日、申立人が上司の○○に対し「給与から賠償額を天引きするのはおかしいのではないか」と抗議したが、被申立人は何らの回答もせず天引きした金員を支払うこともなく現在に至っている。

4 添付資料

・給与明細書の写し 3通

以上

※添付書類は必ずしも申し立てに必要なものではありませんので、添付する書類がない場合は削除しても構いません。

なお、このページに挙げている申立書の詳細についてはこちらのページを参考にしてください。

≫ 仕事上のミスで壊した物の弁償費用を給料から天引きされた場合


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