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職場いじめ・嫌がらせ(モラハラ)の具体例

「職場いじめ」とは、広義ではセクハラやパワハラを含めたすべての職場におけるイジメ全般を意味しますが、狭義ではセクハラとパワハラに該当しない、いわゆるモラハラのことを指して言うことがあります。

”職場いじめ”が性的な言動を伴って行われる場合を「セクハラ(セクシャルハラスメント」、上司の地位や権限を利用して行われる場合を「パワハラ(パワーハラスメント)」と言いますが、性的な言動を伴わず、かつ、上司の地位や権限を利用して行われない「モラハラ(モラルハラスメント)」のことを”職場いじめ”ということがあるのです。

【職場いじめ(ハラスメント)の定義】
性的な言動を伴うイジメ
→セクハラ
上司が職務上の権限を利用して行うイジメ
→パワハラ
セクハラ・パワハラ以外のイジメ
→モラハラ(職場いじめ)

この狭義での「職場いじめ(モラハラ)」は様々な態様があるため具体的にどのようないじめが”職場いじめ”に該当するかということはケースバイケースでの判断となるようです。

もっとも、この狭義での「職場いじめ(モラハラ)」については、「作為的ないじめ」「強要的ないじめ」「不作為的ないじめ」の3つの類型に分類することが可能ですので、この各分類ごとにその具体例を考えてみることにいたしましょう。

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作為的な職場いじめの具体例

暴言など

職場いじめの”作為的ないじめ”に分類されるものとしては、「バ〇」や「ア〇」などといった暴言が代表的ですが、名誉棄損的な言動(たとえば「デ〇」「〇ゲ」「チ〇」「ブ〇」など)も”職場いじめ”として判断されるでしょう。

具体的にどのような暴言が職場いじめとなるかは、その暴言等を発する側と受ける側の関係性や暴言等の頻度などケースバイケースで異なると思いますが、暴言を受ける側の労働者が精神的圧迫を受けるような暴言は全て「職場いじめ」と判断される可能性がありますから、社会の一般常識に照らしてその暴言を受ける側の人間が精神的に傷つくような言葉はすべて「職場いじめ」に該当すると思った方がよいでしょう。

暴行など

殴る、蹴るなど、身体に具体的な肉体的苦痛を与える行為も”作為的ないじめ”に分類され「職場いじめ」と判断されるでしょう。

その他の作為的な職場いじめ

暴言や暴行以外の”作為的ないじめ”としては、たとえば会社の机やロッカーから自分の持ち物を隠されるとか壊されるとか、勝手に捨てられるなどの行為があげられると思います。

また、会社の机にごみをばら撒かれて汚されるなども当然、職場いじめと判断されるでしょう。

なにしろ、被害を受ける側の人格権侵害するような行為はすべて”いじめ”と判断されますので、学校におけるイジメと同じように被害者側が精神的圧迫を受ける行為は全て”職場いじめ”と判断して差し支えないと思います。

強要的な職場いじめの具体例

強要的な職場いじめとしては、会社の同僚が当番制になっている便所掃除をいじめの標的にしている労働者にだけやらせるとか、いじめの標的となっている労働者を辞めさせるため退職届の提出を強要するなどがあげられるでしょう。

そのほかにも、何らかの行為を強要することにより精神的圧迫を加えるような行為がある場合には、”職場いじめ”と判断されることになる可能性があります。

不作為的な職場いじめの具体例

例えば、会社の同僚で作業を分担する必要がある場合に、ある労働者にだけ仕事を割り振らず孤立させるなどの行為は”職場いじめ”と判断される可能性があると思われます。

”仕事を与えない”という態様は上司の権限を利用して行われることが多いため「パワハラ」と認定されることが多いですが、同僚の間で仕事を割り振るような場合には同僚間でも仕事を与えないという”いじめ”が行われることも想定できますので、そのような場合には「モラハラ(職場いじめ)」と判断されることもあるでしょう。

また、会社内で特定の従業員を無視したり、他の従業員に特定の従業員を無視するよう協力を求めることも”職場いじめ”と判断されるでしょう。

”仕事を与えない”とか”無視する”という行為は、被害者に精神的圧迫を与えるものであり、被害者の人格的尊厳を損なう行為といえますので、全て”職場いじめ”に該当すると思って間違いないと思います。

いじめの態様の分類はさして重要ではない

上記のようにモラハラとしての職場いじめにも3つの態様があり、モラハラ以外にもセクハラやパワハラなどがありますから、一口に「職場いじめ」といっても様々な態様に分類されることになります。

しかし、そのような分類自体はさほど重要ではありません。

重要なのはいじめの分類ではなく、その行為によって人格的尊厳を損なっているか(精神的圧迫または肉体的苦痛を受けているか)という点ですので、社会一般の常識から考えれば人格的な尊厳を傷つけられていると判断できるような”嫌がらせ”は全て「職場いじめ」となるでしょう。

「職場いじめ」の被害に遭っている場合は、それを放置していても改善することは難しいのが現実です。

そのため、少しでも精神的あるいは肉体的圧迫を受けていると感じるようであれば、会社の上司や所定の部署(お悩み相談室など)に相談したり、場合によっては弁護士などの法律専門家に相談するなど、早急な対応を心掛けることが重要ではないかと思います。

≫ 職場いじめ・社内いじめを受けている場合の対処法