採用内定を取り消されたときの対処方法とは?

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怒る女性

就職活動を行い、企業の採用試験に合格すると、内定や内々定を受けてその企業に就職することが決定します。

しかし、内定や内々定を受けた場合であっても、会社側の都合で勝手に内定や内々定を取り消されたりする事例が後を絶ちません。

このような内定や内々定の取り消しは、企業側の勝手な判断で自由にできるものなのでしょうか?

ここでは、内定や内々定の法的性質と内定(内々定)取り消しをされた場合の対処法などについて考えていくことにいたしましょう。

なお、採用内定の法的性質やどのような理由から採用内定の取り消しの撤回を求めることができるのかという点については『採用内定を会社が勝手に取り消すことはできるのか?
』のページを参考にしてください。

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内定(内々定)の取消を受けた場合の対処法

① 裁判になったときのために証拠を確保しておく

内定や内々定を取り消された場合の対処法を考える場合には、その前提として後日裁判となったときのために証拠となる資料を確保しておくことが重要になります。

なお、内定取り消しを争う際に必要となる証拠の収集方法などは、こちらのページを参考にしてください。

内定の取り消しを受けた際に集めておくべき証拠とは?

② 会社側に内定や内々定の取り消しの撤回を求める

内定や内々定の取り消しを受けた場合には、企業側に「内定や内々定の取り消しの撤回」を求めましょう。

内定や内々定の取り消しを受けた場合に何の対処もとらないで放置すると「内定(内々定)の取り消しを受け入れた」と取られかねないので、具体的なアクションを起こす必要があります。

そのため、内定(内々定)の取り消しを受けたら直ちに会社側にその撤回を求めるようにします。

具体的には、「内定(内々定)の取り消しを撤回してください」という文面を記載した書面を企業側に郵送するようにしてください。

内定(内々定)の取消の撤回(無効)申し入れ書【ひな形・書式】

書面で送る理由は、後日裁判になったときに証拠として提出するためです。

そして、郵送する場合には必ず「内容証明郵便」で郵送するようにしましょう。

【内容証明郵便とは】

内容証明郵便とは、郵便局がその書類を差出人が送付先の人に「真実に送った」ということを証明する郵便配達方法になります。

通常は同一内容の書面を3通作成し、1通は相手方に送付し、残りの2通を差出人と郵便局が保管することになります。

郵便局に相手方に送ったものと同一書面が保管されていることから、「その書面を相手方に間違いなく送付した」ということが「公に証明」される小音になります。

なお、昔は実際に郵便局に出向いて書類を郵便局に提出する必要がありましたが、現在は郵便局のサイトからWEB上で送付することもできるようになっています。

e内容証明|郵便局

https://www.post.japanpost.jp/service/enaiyo/index.html

③ 労働局に個別労働関係紛争の解決の援助の申し込みをする

文書を送付する形で抗議しても会社側が内定や内々定を撤回しない場合には、労働局に対して「個別労働関係紛争の解決に関する援助の申し込み」を申し立てることも有効です。

内定取消に関する労働局の個別紛争解決援助申立書の記載例

全国の都道府県に設置された労働局では、事業主と労働者の間で発生した紛争(労働トラブル)に関し、どちらか一方の申立があれば必要な助言や指導を行うことができます(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第4条)。

そのため、内定や内々定の取り消しに関して雇い主(会社)と争いがある場合も、労働局に対して「紛争解決の援助の申立」を行えば、案件に応じて労働局から雇い主(会社)に対して行政指導を行ってもらうことが可能です。

また、この労働局による指導によっても問題が解決しない場合には、労働客における”あっせん”(裁判所の民事調停のようなもの)の制度も利用することができますから、問題の解決が期待できるでしょう。

この「紛争解決の援助の申立」や「あっせん」の手続は全て無料で利用することができますので、経済的に余裕がない学生でも気軽に利用できると思います。

なお、手続きの詳細や申立方法などは、各都道府県に設置されている労働局で教えてもらえますので、気軽に相談してみるのも良いでしょう。

都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧|厚生労働省

④ 内定(内々定)の取り消しがなかったものとして行動する

内定や内々定が取り消された場合であっても、その効力を争う場合(「内定の取り消しは無効だ」と主張する場合)には、内定や内々定の取り消しがなかったものとして行動する必要があります。

具体的には、内定(内々定)が取り消された場合であっても、入社式や新人研修に出席したりします。

もちろん、会社側は内定を取り消すことによって入社を認めていませんから、入社式や新人研修に出席しようとしても会場に入れてもらえないでしょう。

しかし、入社式や新人研修に「出席した」という事実は残りますから、後で裁判になった場合に会社側から「うちは内定の取消しなんて出していませんよ、あなたが入社式や新人研修に出席しなかったから解雇したまででしょう?」と反論されることを防ぐことができます。

このように、内定や内々定が取り消された場合であっても、労働者側としては内定や内々定が取り消されたことを認めてはいないので、内定や内々定が取り消されていないものとして行動する必要があります。

⑤ 地位の確認や賃金の支払いを求める裁判を起こす

入社予定日を過ぎても雇い主側が内定や内々定の取り消しを撤回しない場合には、社員であることの地位の確認(保全)や賃金の支払い、または慰謝料を求める裁判を起こすしかないでしょう。

会社側を裁判に訴えて勝訴したのち、その会社に他の社員と同様に勤務することができるかどうかという問題(会社を訴えた人間を会社側が他の社員と同等に扱うかという問題)があるので、「裁判で勝訴してもその会社で働く意思はないから社員であることの地位を確認しても意味がないのではないか」と思う人も多いかもしれません。

しかし、内定の取消しの無効を主張して賃金の支払いを求めたり、慰謝料の支払いを求めるということは、まず「その会社の社員であることを確認すること」が大前提となります。

その会社の社員であることが裁判上確認できるからこそ賃金や慰謝料が発生するので、その会社に勤務する意思がなくてもその会社の社員であることを前提として確認する必要がある)裁判を起こす場合は、「社員としての地位」を確認する裁判を起こすのが通常の訴訟手段となります。

なお、地位の確認にしても賃金や慰謝料の支払いを求めるにしても、裁判を起こす場合には弁護士など法律の専門家に相談する必要があると思いますので、内定(内々定)の取り消しを受けた時点で弁護士に相談に行くなどしておくことも必要かもしれません。


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