契約期間の途中でもバイトやパートを辞めることはできる?

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高校生や大学生がアルバイトをする際に心配となるのが、「契約期間の途中でもバイトを辞めてよいのか」という点です。

アルバイトの雇用契約では、働く期間を「○年○月~○年○月まで」というように一定の期間に限定するのが一般的ですが、高校生や大学生がアルバイトをする場合は「働くこと自体が人生で初めて」という人も多いため、仕事の適性や人間関係の適応になれないことから、契約期間の途中でやめてしまいたいと思う人も少なからずいると思われます。

しかし、契約期間の途中でやめてしまっては契約違反となってしまいますし、勤務先の会社に迷惑をかけてしまうこともあって、退職したくてもできないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、「契約期間の途中でもアルバイトやパートを辞めることはできるのか?」という問題について考えてみることにいたしましょう。

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契約期間が定められているアルバイトの場合は、契約期間が満了する前に辞めてしまうと契約違反となるのが原則

アルバイトの面接時(雇用契約時)に、「○年○月~○年○月まで」というように働く期間を定めて雇用契約を結んでいる場合には、原則としてその契約期間が満了するまで働くことが契約上の義務となっています。

そのため、もし契約期間が満了する前にアルバイトを辞めてしまう場合は、契約違反となってしまうのが原則的な取り扱いとなります。

契約期間を定めて雇用契約を結んでいる場合には、雇い主(会社)側としては、「このアルバイトは○年の○月までは働いてもらえるな」という期待の元に人員の手配や教育などを行っていますから、アルバイトで働いている労働者の方から一方的に仕事を辞めてしまうと少なからず雇い主(会社)に迷惑を与えてしまうでしょう。

もちろん雇い主(会社)の方が退職の申出に応じた場合は契約期間の満了する前であっても自由に退職することができますが、雇い主(会社)の承諾を得られない場合には契約違反となるのは避けられないでしょう。

なお、アルバイトであっても契約期間が「○年○月~○年○月まで」というように定められていない場合(このような雇用契約を「期間の定めのない雇用契約」といいます)には、いつでも好きな時期に辞めることができますので、アルバイトを辞めるときに契約違反になるという心配はありません(民法第627条第1項※ただし、辞める日の2週間前までに退職届を提出する必要があります)。

【民法第627条】

第1項 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。

契約期間の初日から1年を経過した後は、契約期間が満了する前であっても辞めることができる

前述したとおり、雇い主(会社)との雇用契約(労働契約)に期間が定められている場合は、その契約期間が満了する前に退職してしまうと契約違反となります。

しかし、これには例外があり、たとえ契約期間が定められている場合であっても、契約の初日から1年が経過した後は自由に退職することが可能となっています(労働基準法137条)。

【労働基準法137条】

期間の定めのある雇用契約(省略)を締結した労働者(省略)は(省略)、民法628条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。

雇用契約に期間が定められている場合には、「その契約期間中はその労働者を使用することができるだろう」という期待が会社側にありますから、その会社側の期待を一方的に損なうことはできません。

しかし、雇用契約に期間が定められている場合であっても、契約期間の初日から1年を経過した場合には、会社側の期待にもある程度応えることができたと考えられますし、1年以上勤務したにもかかわらず一律に辞められないとしてしまっては、あまりにも労働者をその職場に縛り付けてしまうことになり不都合となるでしょう。

そのため、契約期間の初日から1年を経過した場合には、たとえ契約期間が満了していなくても自由に退職することができるとされているのです(労働基準法137条※ただし、一部の例外(専門的職種や60歳以上の労働者)を除く)。

やむを得ない事由がある場合は、契約期間が満了する前であっても辞めることができる

また、「やむを得ない事由」がある場合には、契約期間が満了する前であっても自由にアルバイトを辞めることが可能です。

「やむを得ない事由」があるにもかかわらず契約期間が満了していないからといって退職することを制限されてしまっては、労働者を必要以上に縛り付けることになり不都合だからです。

たとえば、アルバイトにバスで通勤している学生がいたとして、そのバス路線が廃止されてしまいアルバイトに出勤することが事実上困難になってしまった場合には、その「バス路線が廃止され通勤が困難となってしまったこと」は「やむを得ない事由」と考えられますので契約期間が満了する前であったとしても退職することができると考えられます。

なお、どのような事由が「やむを得ない事由」となるかはケースバイケースで異なりますので、「やむを得ない事由」を具体的に例示することは困難ですが、たとえば次のような事由がある場合には「やむを得ない事由」があると考えて問題ないと思われます(※ただし、これはあくまでも個人的見解です)。

・身体的な障害により業務ができなくなった
・両親や親族などに介護が必要になり退職せざるを得なくなった
・自宅が転居することになったため通勤が困難になった
・転校により通勤が困難になった
・バスや電車の路線廃止・ダイヤ改正により通勤が不能または著しく困難になった
・アルバイト先の会社が通勤困難な地域に移転した
・親が転勤や出向のため転居が必要になり、アルバイト先への通勤が困難になった
・病気や怪我で働けなくなった、または長期の入院が必要になった
・職場いじめやセクハラ、パワハラが原因で勤務の継続が困難になった

契約期間満了前であっても、どうしても退職したい場合にはどうすれば良い?

例えば、アルバイトをしている会社がブラック企業であったことが働き始めた後に判明した場合には、契約期間が満了するまで勤務し続けることが困難な場合もあると思います。

そのような場合に「契約期間の初日から1年を経過していないから」とか「やむを得ない事由がないから」と考えて無理して働き続けてしまっては、ブラック企業の過酷な労働環境によって労災事故や過労死など不測の事件事故に巻き込まれる可能性もありますので危険です。

このような場合にどうしたらよいかというと、それはもう契約違反となることを承知の上で退職するしかないと思います。

契約期間の前に退職することは、たとえ勤務先の会社がブラック企業であったとしても形式的には契約違反となりますが、労災事故に巻き込まれたり精神的に追い込まれるほど過酷な労働を強制されるよりはマシでしょう。

「契約違反を理由に雇い主(会社)から訴えられるんじゃないか?」と不安になるかもしれませんが、そもそもブラック企業は労働基準法などに違反して労働者に過酷な労働を強いているのが通常と考えられますので、ブラック企業が労働者を訴えることは基本的にあり得ません。

仮に契約違反を理由に雇い主(会社)から訴えられたとしても、ブラック企業の過酷な労働から逃れるためにやむを得ず退職したというのであれば、前述の「やむを得ない事情」があると考えられますし、そうでなくても自分の身を守るための退社と考えれば契約期間の満了前に退職することも違法性はないと考えることもできるでしょう。

また、バイトや契約社員の従業員が契約期間の途中で退職したとしても、それによって会社に生じる損害はたかが知れていますから(例えば時給800円で1日5時間勤務するバイトが突然辞めて次のバイトが入るまで2週間かかった場合を考えるとバイトが抜けた穴は単純計算して800×5×14=56,000円程度にしかならない)、そのような少額の損害賠償請求をわざわざ弁護士を雇って裁判するようなバカな会社はないと思いますので、「契約期間の途中で辞めたら訴えられるんじゃないか」と不安になること自体取り越し苦労に過ぎないでしょう(※会社が「辞めたら訴えるぞ」と言うのは辞められたら困るのでただ脅しているだけです)。

なので、ブラック企業の過酷な酷使から逃れるためという理由があるのであれば、契約期間の満了する前であっても退職して問題ないのではないかと思います。

≫ 会社を辞めたいのに辞めさせてくれないときの対処法


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