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加工食品の消費期限の偽装に関する内部告発文書の記載例

このページでは、勤務先の会社で製造する加工食品の消費期限が偽装されている場合に、監督官庁に内部告発する場合の申出書の記載例(サンプル)を公開しています。

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なお、この書式例(ひな形例)は当サイト管理人が個人的な見解で作成したものです。

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勤務先の会社で製造している加工食品の消費期限が偽装されている場合に、監督官庁に内部告発する場合の申出書の記載例


申出書

平成

大阪府知事 殿 ←注1

氏名 告発 太郎 

食品表示法第12条第1項(又は第2項)の規定に基づき、下記のとおり、申し出ます。

一 申出人の氏名又は名称及び住所

 氏名又は名称 告発 太郎

 住所 大阪市東淀川区〇〇三丁目〇番〇号〇〇マンション〇号室

二 申出に係る食品の種類(又は酒類の品目)

ロールケーキ(洋菓子)

三 申出の理由

申出人は事業者が営業する「悪徳ロール梅田駅前店」において販売員として勤務しているが、同店舗では店長の指示により、商品の消費期限が経過した場合は本来の消費期限から1週間後の消費期限が記載されたシールに張り替えて更に1週間販売を継続するのが常態化している。

四 申出に係る食品(又は酒類)に係る食品関連事業者等の氏名又は名称及び住所

 氏名又は名称 株式会社悪徳ロール

 住所 大阪府高槻市〇〇一丁目〇番〇号

五 申出に係る食品(又は酒類)の申出時における所在場所及び所有者の氏名又は名称

 氏名又は名称 悪徳ロール梅田駅前店

 住所 大阪市北区梅田〇丁目〇番〇号〇〇ビル地下一階

以上


注1:この記載例では「大阪府内でのみ販売されている商品」という事例を想定していますので名宛人を「大阪府知事」と記載していますが、消費者庁に提出する場合は「消費者庁長官」や「内閣総理大臣」と記載しても構いません(※詳細は後述の(2)を参照)。

※なお、「賞味期限」が偽装されている場合は上記の「消費期限」を「賞味期限」に書き換えてください。


【匿名で内部告発したい場合】

自分の氏名を申告せずに匿名で告発したい場合は上記の「氏名」の欄や「一 申出人の氏名又は名称及び住所」の欄を白紙のまま提出するか、「六 備考」の項目を追加して「本件申出をしたことが事業者に知れると勤務先で不当な扱いを受ける恐れがあるため事業者に対しては申出人の氏名を公表しないよう求める。」などと記載するなどしてください。

※ただし、匿名で内部告発する場合は監督官庁としてもその告発内容の信ぴょう性を確認できず単なる「情報提供」や「いたずら」などとしか判断しない可能性もありますので注意してください。また、仮にこのように記載したとしても監督官庁が確実に氏名を秘匿してくれるかは保証できませんのでご自身の判断で申出を行ってください。

申出書の記載要領

(1)申出書の様式

食品表示法に違反する場合の情報提供に使用する申出書のひな型は消費者庁のサイトからダウンロード(PDF又はワード)することが出来ます。

▶ 食品表示法の相談・被疑情報の受付窓口 – 消費者庁

(2)申出書の提出先

加工食品の消費期限の表示などを規定する食品表示法は「内閣総理大臣」や「農林水産大臣」などが基本的な監督官庁となりますが、食品表示法の第15条でその権限が「都道府県知事」や「消費者庁長官」に委任されていますので、申出書の提出先(名宛人)は、その違反している商品が販売されている都道府県の「都道府県知事」や「消費者庁長官」であっても構いません。

消費者庁のサイトによると、加工食品の消費期限の偽装に関する情報提供の申出先は、その加工食品が特定の都道府県でのみ販売されているものについてはその「各都道府県」に、複数の都道府県で販売されているものについては「消費者庁総務課」に提出することになっているようです。

(※消費者庁総務課に申出書を提出する場合は上記の記載例の名宛人を「消費者庁長官 殿」と記載します。)

なお、具体的な送付先の住所は消費者庁のこちらのページに掲載されています。

▶ 公益通報の通報先・相談先 行政機関検索 | 消費者庁

(3)申出の根拠

加工食品の消費期限や賞味期限の表示義務については食品表示法の第4条と第5条に規定されており、その具体的な表示方法は内閣府令となる食品表示基準の第3条で細かく定められています。

【食品表示法第4条】
内閣総理大臣は、内閣府令で、食品及び食品関連事業者等の区分ごとに、次に掲げる事項のうち当該区分に属する食品を消費者が安全に摂取し、及び自主的かつ合理的に選択するために必要と認められる事項を内容とする販売の用に供する食品に関する表示の基準を定めなければならない。
一  名称、アレルゲン(省略)、保存の方法、消費期限(食品を摂取する際の安全性の判断に資する期限をいう。(省略))、(以下省略)
二(省略)
【食品表示法第5条】
食品関連事業者等は、食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売をしてはならない。
【食品表示基準第3条】
(中略)消費期限又は賞味期限
第1号 品質が急速に劣化しやすい食品にあっては消費期限である旨の文字を冠したその年月日を、それ以外の食品にあっては賞味期限である旨の文字を冠したその年月日を年月日の順で表示する。ただし、製造又は加工の日から賞味期限までの期間が三月を超える場合にあっては、賞味期限である旨の文字を冠したその年月を年月の順で表示することをもって賞味期限である旨の文字を冠したその年月日の表示に代えることができる。
第2号(省略)

そして、この食品表示法で義務付けられた表示が適正でないため一般消費者の利益が害されていると認められる場合は、誰でもその違反している事実を内閣総理大臣(又は農林水産大臣)に申し出て適切な措置を取るよう求めることが出来ることも食品表示法の第12条で認められています。

この点、上記の記載例のように消費期限のシールを付け替えられて消費期限切れの商品が販売されている状況も、食品表示法で定められた表示義務に違反して一般消費者の利益が害されていると認められますから、上記のような申告書を提出することにより内閣総理大臣に対して適切な措置を取るよう求めることが出来るものと考えられます。

なお、食品表示法第12条では「何人も」と規定されていますので、正社員だけでなくパートや派遣社員であっても(又はお客であっても)申出することに差し支えありません。

(4)消費期限を偽装した場合の罰則等

なお、消費期限や賞味期限など食品表示法で義務付けられた表示事項について食品表示基準に従った表示がなされていない場合、その食品を販売した事業者は行政指導(指示)や食品の回収、業務停止などの行政処分が命じられたり(食品表示法第6条8項)、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金に処せられる場合があります(食品表示法第17条及び18条)。

(5)内部告発を行う場合の注意点

なお、内部告発をする際の注意点などについては『内部告発(公益通報)の正しい方法と順序』のページを参考にしてください。