違法残業(長時間労働)に関する労基署の申告書の記載例


このページでは、勤務先の会社から国が定める基準を超える違法残業(長時間労働)を命じられていることを理由に、労働基準監督署に違法行為の是正申告を行う場合の申告書の記載例(ひな形・文例)を公開しています。

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会社から国が定める基準を超える違法残業(長時間労働)を命じられていることを理由として労働基準監督署に違法行為の是正申告を行う場合の申告書の記載例

(1)1週間あたりの残業時間が国の基準を超えている場合

〇〇労働基準監督署長 殿

労働基準法違反に関する申告書

平成〇年〇月〇日

申告者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 東京都墨田区〇〇二丁目〇番〇号〇〇マンション〇号室
氏名 加江梨多伊乃
電話番号 090-****-****

違反者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 東京都荒川区〇〇七丁目〇番〇号〇〇ビル〇階
名称 株式会社オーバーワーキング・エブリデイ
代表者 加枝羅仙蔵
電話番号 03-****-****

労働基準法104条1項に基づき、下記のとおり労働基準法に違反する事実を申告いたします。

1 当事者

 違反者は、ニボシに含まれるDHA成分を瞬時に検出するスマートフォン向けアプリ「いりこチェッカー改」を開発及び配信する従業員125名の株式会社である。
 申告者は、平成〇年〇月にアプリケーションエンジニアとして入社し、本社営業所においてアプリケーションの開発およびシステムメンテナンス業務に従事している。

2 労働基準法に違反する事実

 申告者は、平成○年○月以降、入社時から従事していたアプリケーションの開発業務だけでなくシステムメンテナンス業務についても兼務するよう違反者に命じられたことから飛躍的に負担する作業量が増加した。そのため申立人は、所定労働時間の8時間を超える残業を余儀なくされることも多くなったが、その残業時間の合計は1週間あたり15時間を超える状況がここ数か月間常態化している。
 しかしながら、厚生労働省の告示(平成10年労働省告示第154号)では、いわゆる36協定で定めることができる労働時間の延長時間の上限のうち「1日を超えて3か月以内の期間」の労働時間の延長については「1週間の期間」では「15時間」が限度とされているから、違反者は労働基準法第32条及び同法第36条の規定の趣旨に違反して申告者他の労働者に対して違法な長時間労働(違法残業)を強制(または黙認)しているといえる。

3 是正措置の申立

 違反者の行為は、労働基準法第32条及び同法第36条の規定の趣旨に違反する。よって、速やかに調査を行うとともに是正措置をとられるよう求める。

4 添付資料

・平成〇年〇月から〇月までの勤務記録が表示されたPC画面を印刷した書面の写し 1通

5 備考

 本件申告をしたことが違反者に知れると勤務先で不当な扱いを受ける恐れがあるため、違反者に対しては申告者の氏名を公表しないよう求める。

以上

※官公庁ではすべての書類をA4で統一していますので、プリントアウトする際はA4用紙を利用するようにしてください。

(2)1か月あたりの残業時間が国の基準を超えている場合

〇〇労働基準監督署長 殿

労働基準法違反に関する申告書

平成〇年〇月〇日

申告者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 東京都葛飾区亀有公園前二丁目〇番〇号〇〇マンション〇号室
氏名 加江羅瀬手代
電話番号 090-****-****

違反者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 東京都杉並区〇〇八丁目〇番〇号〇〇ビル〇階
名称 株式会社オーバーワーキング・エブリマンス
代表者 畑羅管甲斐
電話番号 03-****-****

労働基準法104条1項に基づき、下記のとおり労働基準法に違反する事実を申告いたします。

1 当事者

 違反者は、サバの缶詰に含まれるDHA成分を瞬時に検出するスマートフォン向けアプリ「サバカンチェッカー改」を開発及び配信する従業員38名の株式会社である。
 申告者は、平成〇年〇月に経理担当事務員として入社し、本社事業所において経理業務およびクレーム処理業務に従事している。

2 労働基準法に違反する事実

 申告者は、平成○年○月以降、入社時から従事していた経理業務だけでなく顧客からのクレーム処理業務についても兼務するよう違反者に命じられたことから飛躍的に負担する作業量が増加した。そのため申立人は、所定労働時間の8時間を超える残業を余儀なくされることも多くなったが、その残業時間の合計は1か月あたり45時間を超える状況がここ数か月間常態化している。
 しかしながら、厚生労働省の告示(平成10年労働省告示第154号)では、いわゆる36協定で定めることができる労働時間の延長時間の上限のうち「1日を超えて3か月以内の期間」の労働時間の延長については「1か月の期間」では「45時間」が限度とされているから、違反者は労働基準法第32条及び同法第36条の規定の趣旨に違反して労働者に違法な長時間労働(違法残業)を強制(または黙認)しているといえる。

3 是正措置の申立

 違反者の行為は、労働基準法第32条及び同法第36条の規定の趣旨に違反する。よって、速やかに調査を行うとともに是正措置をとられるよう求める。

4 添付資料

・平成〇年〇月から〇月までのタイムカードの写し     1通

5 備考

 本件申告をしたことが違反者に知れると勤務先で不当な扱いを受ける恐れがあるため、違反者に対しては申告者の氏名を公表しないよう求める。

以上

※官公庁ではすべての書類をA4で統一していますので、プリントアウトする際はA4用紙を利用するようにしてください。

(3)1年あたりの残業時間が国の基準を超えている場合

〇〇労働基準監督署長 殿

労働基準法違反に関する申告書

平成〇年〇月〇日

申告者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 東京都杉並区〇〇四丁目〇番〇号〇〇マンション〇号室
氏名 毛伊弥代
電話番号 090-****-****

違反者
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 東京都千代田区〇〇九丁目〇番〇号〇〇ビル〇階
名称 株式会社オーバーワーキング・フォーエバー
代表者 尾間江和戸玲
電話番号 03-****-****

労働基準法104条1項に基づき、下記のとおり労働基準法に違反する事実を申告いたします。

1 当事者

 違反者は、アジの干物に含まれるDHA成分を瞬時に検出するスマートフォン向けアプリ「アジヒモノチェッカー改」を開発及び配信する従業員99名の株式会社である。
 申告者は、平成〇年〇月にアプリケーションの動作確認アルバイトとして入社し、本社営業所においてアプリケーションの動作確認作業およびシステムメンテナンス業務に従事している。

2 労働基準法に違反する事実

 申告者は、平成○年○月以降、入社時から従事していたアプリケーションの動作確認業務だけでなくシステムのメンテナンス業務についても兼務するよう違反者に命じられたことから飛躍的に負担する作業量が増加した。そのため申立人は、所定労働時間の8時間を超える残業を余儀なくされることも多くなったが、昨年の残業時間の合計は360時間を超えていた。
 しかしながら、厚生労働省の告示(平成10年労働省告示第154号)では、いわゆる36協定で定めることができる労働時間の延長時間の上限のうち「1年間」の労働時間の延長については「360時間」が限度とされているから、違反者は労働基準法第32条及び同法第36条の規定の趣旨に違反して労働者に違法な長時間労働(違法残業)を強制(または黙認)しているといえる。

3 是正措置の申立

 違反者の行為は、労働基準法第32条及び同法第36条の規定の趣旨に違反する。よって、速やかに調査を行うとともに是正措置をとられるよう求める。

4 添付資料

・昨年1年間のタイムカードの写し 1通

5 備考

 本件申告をしたことが違反者に知れると勤務先で不当な扱いを受ける恐れがあるため、違反者に対しては申告者の氏名を公表しないよう求める。

以上

※官公庁ではすべての書類をA4で統一していますので、プリントアウトする際はA4用紙を利用するようにしてください。

違法行為の是正申告書の記載要領

(1)「当事者」の欄

当事者の欄は、会社やご自身の会社の業務に合わせて適宜書き直してください。匿名で申告したい場合は申告者の欄は空欄のまま提出しても構いません。

▶ 労働基準監督署に提出する違法行為の是正申告書の書き方

なお、具体的な提出先は会社の所在地を管轄する労働基準監督署になるかと思われますが、その具体的な住所等については厚生労働省のサイトで各自ご確認をお願いします。

▶ 全国の労働基準監督署の所在案内|厚生労働省

(2)「労働基準法に違反する事実」の欄

労働基準法に違反する事実の欄には、使用者(会社)からどのような労働基準法に違反する行為を受け、どのような不利益を受けているのかといった点についてある程度具体的に記載します。

上記の事例では、国が厚生労働省の告示で定めている時間外労働時間の上限を越えた残業を余儀なくされている状況があることを記載し、そのような国の基準に違反する時間外労働を強制(ないしは黙認)している状態が、労働者の労働時間の上限や労働時間の延長の制限を規定した労働基準法の第32条及び第36条に違反するというようなことを記載しています。

なお、国が定める労働時間の延長の具体的な限度基準や、会社から違法な長時間労働を命じられている場合の具体的な対処法などはこちらのページで解説していますので参考にしてください。

▶ 違法残業(長時間労働)を強制させられている場合の対処法

(3)「是正措置の申立」の欄

是正措置の申立の欄には、会社の行為が労働基準法の何条(何項)に違反するのかを記載します。

上記の事例では、国が定める労働時間の延長の上限に関する基準を超えて時間外労働が命じられている(事実上強制させられるような分量の仕事を命じられているまたは基準を超える残業が黙認されている)状況があるため、労働者の労働時間の上限を定めた労働基準法の第32条やその労働時間の延長をする場合について規定された労働基準法第36条の趣旨に違反するという文章にしています。

なお、労働基準監督署に対する違法行為の是正申告は会社が労働基準法の何条に違反しているかが前提となりますので、どの条文に違反するか分からない場合は労働基準監督署に相談に行って聞いてみるか、事前に弁護士などの法律専門家に相談する方がいいかもしれません。

(4)「添付書類」の欄

添付書類の欄には、労働基準法違反の事実を証明するような書類等があれば、その書類等の名称と添付する通数を記載します。

労働基準監督署への違法行為の是正申告は裁判所における裁判と異なりますから添付書類は必ずしも添付する必要はありませんが、使用者の労働基準法違反を証明するような書類(※画像や動画の記録などの電子データでもよい)がある場合には添付書類として提出してください。

なお、上記の文例では「会社が国の定める基準を超えて残業を命じていること(又は残業が行われているのを黙認していること)」を明らかとするために「勤務記録が表示されたPCの画面をプリントアウトしたもの」の写しや「タイムカード」の写しなどを添付することにしています。

なお、添付書類として提出する文書の「原本」は、後に裁判になった際に使用する可能性がありますので、労働基準監督署に対しては原本ではなく「写し(コピー機で複写したもの)」を提出するようにした方が良いでしょう。

(5)「備考」の欄

労働基準監督署への違法行為の是正申告は、労働基準監督署には氏名を明らかにしつつも会社には匿名にして申告することも可能です。

▶ 労働基準監督署に提出する違法行為の是正申告書の書き方

是正申告したことを会社に知られても構わない場合は備考の欄は削除しても構いません。

なお、上記の記載例のように記載して提出した場合、労働基準監督署が調査を行う場合は”一般的な臨検”として調査が行われるものと思われます。


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