茶髪や派手な服装を理由とした解雇に関する労働局の申立書


このページでは、茶髪や派手な服装で出社したことを理由に解雇などの懲戒処分を受けたことを理由として労働局に紛争解決援助の申立をする場合の申立書の記載例(ひな形・書式)を公開しています。

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茶髪や派手な服装で出社したことを理由に会社を解雇(懲戒解雇)されたことを理由として労働局に紛争解決援助の申し立てをする場合の申立書の記載例

〇〇労働局長 殿

個別労働関係紛争の解決に関する援助申立書
(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第4条に基づく)

平成〇年〇月〇日

申立人(労働者)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 大阪府豊中市〇〇九丁目〇番〇号〇〇マンション〇号室
氏名 屁尾芽太琉
電話番号 080-****-****

被申立人(事業主)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 大阪市北区〇〇三丁目〇番〇号
名称 株式会社プレイン&シンプル
代表者 七参我気男
電話番号 06-****-****

1 紛争解決の援助を求める事項

 懲戒解雇を撤回するよう事業主に対する助言・指導を求める。

2 援助を求める理由

 被申立人は、髪の毛の分け目を瞬時に識別するスマートフォン向けアプリ「七三チェッカー」を開発及び配信する従業員73名の株式会社である。
 申立人は、平成〇年〇月にアプリケーションエンジニアとして入社し、本社事業所においてスマートフォン向けアプリの運営業務に従事していたが、平成○年〇月ごろから黄色に染め上げた髪をいわゆるモヒカン状に垂直に立ち上げたヘアスタイルで出勤するようになったことを契機に会社側から髪型や服装を注意されるようになった。
 そのため被申立人は、ある程度被申立人の注意を受け入れようと、髪の色を茶色(いわゆる茶髪)に染め直し、髪の長さも比較的短く切り揃えたうえで出社したが、上司から「もっと黒く染めて短く刈上げてこい」と注意され、その後の○月○日、被申立人から「職場の秩序を乱した」との理由で懲戒解雇を通知された。
 しかしながら、企業が労働者の髪の色や髪型等について制限する場合には、その制限の範囲は企業の円滑な運営上必要かつ合理的な限度にとどまり仮にそれを制限する場合には特段の配慮が必要と解されるところ(株式会社東谷山家事件:福岡地裁小倉支部平成9年12月25日に同旨)、申立人は被申立人の注意を聞き入れて髪の色を黄色から茶色に染め直したり短く切りそろえるなど一定の改善を行っているし、そもそも申立人の職場は機密保護の観点から部外者が立ち入ることが出来ない部屋にあることから仮に奇抜な髪の色や髪型をしていたとしても社外の人間を不快にする恐れもないから、それでもなお髪の色や髪型に注意を与えることは、企業の円滑な運営上必要かつ合理的な限度を超えているといえる。
 したがって、被申立人が申立人に対して行った「職場の秩序を乱した」ことを理由とする懲戒処分による解雇は権利の濫用といえ無効である。

3 紛争の経過

 申立人は平成○年に入ってヘビーメタルバンドに興味を覚えたことから、同年〇月以降、赤く染め上げた髪をいわゆるモヒカン状に垂直に立ち上げたヘアスタイルで出勤するようになった。
 この髪型については当初上司も「おもろい髪型して来よったな」と言う程度で特段の注意を受けることもなかったが、1週間ほど経過したところで上司から会議室に呼び出され、会社の幹部数人から「社内の風紀が乱れるから普通の髪型に直すように」と注意を受けた。そのため、不本意ではあったが数日後に美容院で茶色に染め直し髪も若干短めにカットしてさほど奇抜にならない程度に髪型を改善した。
 しかしその数日後の平成○年○月下旬、再び上司から会議室に呼び出され「黒く染めなおして髪の長さももっと短くしないと職場の秩序を乱したとして解雇する」と注意されたがこれを無視していたところ、同月〇日、上司から解雇を言い渡された。
 その後申立人は平成○年○月○日付の「懲戒解雇の撤回を求める申入書」を作成して被申立人に送付したが、現在に至るまでその懲戒解雇の処分は撤回されていない。

4 添付資料

・懲戒解雇を命じた辞令書の写し      1通
・懲戒解雇の撤回を求める申入書の写し   1通

以上

※官公庁ではすべての書類をA4で統一していますので、A4用紙でプリントアウトするようにしてください。

※「援助を求める理由」の欄について

援助を求める理由の欄には、会社側がどのような法律違反行為を行っていて、どのような解決方法を求めているのか、といったことを記載します。

上記の記載例では、髪を黄色に染めてモヒカンの髪型で出社したことに注意を受けたことから、ある程度会社の意向に沿うように茶色に染め直して長さも短くカットして出社したものの、それでもなお黒色や短い髪型にするよう指示され、それを無視したところ「会社の秩序を乱した」という理由で懲戒解雇されていますが、過去の裁判例では会社が髪の色や髪型、服装と言った労働者の外見等を制限する場合には、「企業の円滑な運営上必要な限度」の範囲内についてのみその制限が認められると判断されていますので、髪型や髪の色をある程度会社の意向に沿うように改善し、社外の人間に不快な思いをさせる恐れもないような状態で働いている労働者を懲戒処分にするのは「企業の円滑な運営上必要な限度」の範囲を超えるものと考えられますので、会社がそのような社員を解雇するのは権利の濫用として無効と判断される、という主張を説明する文章にしています。

なお、髪の色や髪型を理由に解雇などの処分を受けた場合の対処法などについてはこちらのページを参考にしてください。

▶ 茶髪や派手な服装で出社したら解雇されるか?

※「紛争の経過」の欄について

紛争の経過の欄には、会社との間の紛争がどのようなきっかけで発生し、会社側とどのような交渉を行ってきたのか、その経緯を記載します。

上記の事例では、ヘビーメタルバンドに興味を持ったことから髪の色を黄色に染め上げモヒカンのスタイルで出社するようになったが当初は何も言われなかったが会社幹部から注意を受けるようになったこと、その注意を受けて茶髪にするなどある程度改善をしたこと、その改善にもかかわらず、懲戒処分による解雇を受けたこと、その後書面を作成して解雇の撤回を求めたものの、一切聞き入れてもらえなかったことなどを簡単に記載しています。

※「添付資料」の欄について

添付資料の欄には、会社との間で発生している紛争の内容を証明するような資料があれば、その資料を記載します。

上記の文例では懲戒処分による解雇を受けたことを明らかとするためにその前後の「懲戒解雇を命じた辞令書」の写しを、また書面で解雇の撤回を求めたことを明らかとするために「懲戒解雇の撤回を求める申入書」の写しを添付することにしています。

ちなみに、裁判所における裁判と異なり、労働局への紛争解決援助の申立に証拠書類の添付は必須ではありませんので、紛争の事実を証明できるような文書やデータ(画像や音声・画像記録など)がない場合には添付書類の項には「特になし」と記載して申立てをしても構いません。

(※「写し」を添付するのは後で裁判などに発展した際に「原本」を使用することがあるからです。労働局への申立に証拠の原本は特に必要ありませんから、提出する書類(又はデータ)のコピーを取って、そのコピー(写し)を提出する方が無難です。)

様式について

労働局に対する援助の申立書に定型の様式は設けられておらず、各都道府県の労働局によってその様式が異なっているようです。

上記の様式で提出しても問題ないと思いますが、たとえば東京労働局で使用されている申立書の様式は東京労働局のサイトからダウンロード(Word)できますので、その様式を使用して提出するのもいいのではないかと思います(東京労働局で使用されている様式を他の労働局で使用しても受け付けてもらえると思います)。

様式 | 東京労働局

もっとも、実際に労働局に対して援助の申立書を提出する場合は、申し立てを行う労働局に事前連絡や相談を行う場合が多いと思いますので、その相談する際に労働局で申立書のひな形をもらうなどした方が良いでしょう。