正社員からアルバイトへの降格に関する労働局の申立書

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このページでは、会社から人事上の措置または懲戒処分として正社員からアルバイトへの降格を命じられたことを理由として、労働局に紛争解決援助の申立を行う場合の申立書の記載例(ひな型・書式)を後悔しています。

適宜、ワードなど文書作成ソフトを利用して自由に複製してもかまいませんが、著作権を放棄するわけではありませんので無断転載や配布などは禁止します。

なお、この書式例(ひな形例)は当サイト管理人が個人的な見解で作成したものです。この書式例(ひな形例)を使用して生じる一切の損害につき当サイトの管理人は責任を負いませんのでご了承のうえご使用ください。

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正社員からアルバイトに降格させられたことを理由に労働局に対して紛争解決援助の申立を行う場合申立書の記載例

(1)人事上の措置として正社員からアルバイトへの降格を命じられた場合

〇〇労働局長 殿

個別労働関係紛争の解決に関する援助申立書
(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第4条に基づく)

平成〇年〇月〇日

申立人(労働者)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 東京都世田谷区〇〇五丁目〇番〇号〇〇マンション〇号室
氏名 場糸和伊弥代
電話番号 090-****-****

被申立人(事業主)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 東京都中野区〇〇八丁目〇番〇号〇〇ビル〇階
名称 株式会社バイトニコウカク・システムズ
代表者 倍都仁須瑠造
電話番号 03-****-****

1 紛争解決の援助を求める事項

 無期労働契約から有期契約への変更を撤回するよう事業主に対する助言・指導を求める。

2 援助を求める理由

 被申立人は、燕の飛来時期を瞬時に予測するスマートフォン向けアプリ「ツバメでGO!」を開発及び配信する従業員288名の株式会社である。
 申立人は、平成〇年〇月に期間の定めのない労働契約で正社員として被申立人に採用され、アプリケーションに表示させる燕のアニメーションデザイン業務を担当していたが、平成○年〇月〇日、被申立人から「デザイン技術が基準に達していない」という理由で人事上の措置として契約期間1年のアルバイトに一方的に降格させられた。
 しかしながら、使用者が労働者に対して人事権の行使としての降格を命じることが認められるとしても、正社員として雇い入れられた労働者がアルバイトに降格させられる場合には、その労働契約は期間の定めのない雇用契約(無期労働契約)から期間の定めのある雇用契約(有期労働契約)に変更されることになるため、その実質は当初契約された無期労働契約を合意解約したうえで新たに有期雇用契約で再契約することを目的とした労働契約の変更にあたるものと解されるから、仮に被申立人の就業規則に正社員からアルバイトへの降格を是認するような規定が存在していたとしても、社会通念上その就業規則の規定は労働契約の内容にはならないと考えられるものである(倉田学園事件:高松地裁平成元年5月25日に同示)。
 そのため、仮に被申立人が申立人をアルバイトに「降格」させたい場合には、申立人の同意を得て労働契約を正社員としての無期労働契約からアルバイトとしての有期労働契約に変更する必要があると考えられるが、申立人が正社員からアルバイトへの契約の変更に同意した事実はない(労働契約法第8条)。
 したがって、被申立人が申立人を正社員からアルバイトに降格させた行為は労働契約上の根拠のない無効なものといえる。

3 紛争の経過

 申立人は平成○年○月上旬、上司の〇〇から会議室に呼び出され「君のアニメーションのデザイン技術は当社の基準に達していないから来月からアルバイトに降格してもらうことになった」と一方的に正社員(無期労働契約)からアルバイト(契約期間1年の有期労働契約)への降格を命じられた。
 これに対して申立人は、正社員とアルバイトでは雇用形態が全く異なるからアルバイトへの降格は実質的な契約の合意解除と再契約にあたり同意できない旨抗議したが、「人事上の措置に従業員の同意なんて必要ないんだよ」「お前の技術が足らないから仕方ないだろう」というのみで一切聞き入れてもらえなかった。
 そのため申立人は、同年○月○日付で「正社員からアルバイトへの契約変更の撤回を求める申入書」を作成し、被申立人に郵送する方法でその撤回を申し入れたが、現在に至るまで当該契約の変更は撤回されていない。

4 添付資料

・正社員からアルバイトへの降格を命じた辞令書の写し          1通
・正社員からアルバイトへの契約の変更の撤回を求める申入書の写し    1通

以上

※官公庁ではすべての書類をA4で統一していますので、将来的に裁判になる可能性がある場合にはA4用紙でプリントアウトするようにしてください。

(2)懲戒処分として正社員からアルバイトへの降格を命じられた場合

〇〇労働局長 殿

個別労働関係紛争の解決に関する援助申立書
(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第4条に基づく)

平成〇年〇月〇日

申立人(労働者)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 東京都大田区〇〇四丁目〇番〇号〇〇マンション〇号室
氏名 梅戸羽伊弥代
電話番号 090-****-****

被申立人(事業主)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 東京都千代田区〇〇九丁目〇番〇号〇〇ビル〇階
名称 株式会社バイトニコウカク・アプリケーションズ
代表者 倍都仁須留太郎
電話番号 03-****-****

1 紛争解決の援助を求める事項

 無期労働契約から有期契約への変更を撤回するよう事業主に対する助言・指導を求める。

2 援助を求める理由

 被申立人は、ヒヨドリの騒音被害を瞬時に予測するスマートフォン向けアプリ「ヒヨドリ警報倶楽部」を開発及び配信する従業員288名の株式会社である。
 申立人は、平成〇年〇月に期間の定めのない労働契約で正社員として被申立人に採用され、スマホ用アプリに表示させるヒヨドリのデザイン業務を担当していたが、平成○年〇月〇日、被申立人から懲戒処分を理由とした降格として契約期間1年のアルバイトに一方的に労働契約を変更させられた。
 しかしながら、仮に被申立人の就業規則に正社員からアルバイトへの降格を是認するような懲戒処分の定めが存在し懲戒処分としての降格が認められる場合であったとしても、正社員として雇い入れられた労働者がアルバイトに降格させられる場合には、その実質は当初契約された無期労働契約を合意解約したうえで新たに有期雇用契約で再契約することを目的とした労働契約の変更にあたるから、社会通念上その就業規則の定めは労働契約の内容にはならないと考えられる(倉田学園事件:高松地裁平成元年5月25日に同示)。
 そのため、仮に被申立人が労働者を有期雇用契約であるアルバイトに「降格」させたいのであればたとえそれが懲戒権の行使としての懲戒処分であったとしても労働契約の変更として申立人の同意を要すると解されるが(労働契約法第8条)、申立人がアルバイトへの契約変更に同意した事実はない。
 したがって、被申立人が申立人を正社員からアルバイトに降格させた行為は労働契約上の根拠のない無効なものといえる。

3 紛争の経過

 申立人は平成○年○月ごろから同僚の既婚女性と親密な交際を重ねていたが、平成○年〇月ごろに当該女性労働者とのLINEが社内の他の社員に漏えいしたことをきっかけとして社内に不倫のうわさが広がるようになり、平成○年〇月上旬、上司の〇〇から会議室に呼び出され「社内の風紀を乱したとき」という懲戒事由に該当するという理由で正社員(無期労働契約)からアルバイト(契約期間1年の有期労働契約)への降格処分を命じられた。
 これに対して申立人は、正社員とアルバイトでは雇用形態が全く異なるからアルバイトへの降格は実質的な契約の合意解除と再契約にあたるから懲戒処分としても同意できない旨抗議したが、「不倫で社内の風紀が乱れたのは事実なんだから文句言うなよ」「お前が不倫なんてするからだろう」などというのみで一切聞き入れてもらえなかった。
 そのため申立人は、同年○月○日付で「正社員からアルバイトへの契約変更の撤回を求める申入書」を作成し、被申立人に郵送する方法でその撤回を申し入れたが、現在に至るまで当該契約の変更は撤回されていない。

4 添付資料

・正社員からアルバイトへの降格を命じた辞令書の写し          1通
・正社員からアルバイトへの契約の変更の撤回を求める申入書の写し    1通

以上

※官公庁ではすべての書類をA4で統一していますので、将来的に裁判になる可能性がある場合にはA4用紙でプリントアウトするようにしてください。

(3)正社員からアルバイトへの降格に同意をしてしまった場合

〇〇労働局長 殿

個別労働関係紛争の解決に関する援助申立書
(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第4条に基づく)

平成〇年〇月〇日

申立人(労働者)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
住所 東京都荒川区〇〇七丁目〇番〇号〇〇マンション〇号室
氏名 車院賀伊井乃
電話番号 090-****-****

被申立人(事業主)
〒 〇〇〇-〇〇〇〇
所在地 東京都江東区〇〇五丁目〇番〇号〇〇ビル〇階
名称 株式会社バイトニシチャウヨ・システムズ
代表者 陪斗荷志多代
電話番号 03-****-****

1 紛争解決の援助を求める事項

 無期労働契約から有期契約への変更を撤回するよう事業主に対する助言・指導を求める。

2 援助を求める理由

 被申立人は、カルガモのヒナの巣立ちの時期を瞬時に予測するスマートフォン向けアプリ「カルガモGO!」を開発及び配信する従業員98名の株式会社である。
 申立人は、平成〇年〇月に期間の定めのない労働契約で正社員として被申立人に採用され、スマホ向けアプリのシステム開発業務を担当していたが、平成○年〇月〇日、被申立人から「システム開発技術が当社の基準に達していない」という理由で人事上の措置として契約期間1年のアルバイトに一方的に降格させられた。
 しかしながら、使用者が労働者に対して人事権の行使としての降格を命じることが認められるとしても、正社員として使用者に雇い入れられた労働者がアルバイトに降格させられる場合には、その実質は当初契約された無期労働契約を合意解約したうえで新たに有期雇用契約で再契約することを目的とした労働契約の変更にあたり、その対象となる労働者の個別の同意が必要になると考えるべきである(労働契約法第8条)。
 この点、申立人が被申立人の求めに応じて正社員からアルバイトへの契約の変更に同意した事実はあるものの、その同意は正社員からアルバイトへの降格が実質的に無期労働契約から有期労働契約への変更にあたることを認識しないまま被申立人の執拗な求めに応じて同意したものに過ぎないから、その意思表示には錯誤があったといえる。
 したがって、正社員からアルバイトへの契約変更に同意した申立人の意思表示には瑕疵があり、被申立人が申立人を正社員からアルバイトに降格させる労働契約上の根拠は存在しないことになるから、被申立人が申立人の契約を一方的にアルバイトに変更した行為は無効なものといえる。

3 紛争の経過

 申立人は平成○年○月上旬、上司の〇〇から会議室に呼び出され「君のシステム開発技術は当社の基準に達していないから来月からアルバイトに降格してもらうことになった」と一方的に正社員(無期労働契約)からアルバイト(契約期間1年の有期労働契約)への降格を命じられた。
 これに対して申立人は、人事上の評価には従うしかないと考えたため、アルバイトへの契約変更に同意し契約期間を1年とする有期労働契約書にサインしたが、インターネットで検索したところ正社員からアルバイトへの契約変更には本人の同意が必要でこれを拒否する自由もあるという記事が散見されたため、上司の〇〇に対して契約変更を撤回するよう求めた。
 しかし上司は「人事上の措置にだから拒否できないんだよ」「いったん同意したんだから今さら遅い」というのみで一切聞き入れようとしない。
 そのため申立人は、同年○月○日付で「正社員からアルバイトへの契約変更の撤回を求める申入書」を作成し、被申立人に郵送する方法でその撤回を申し入れたが、現在に至るまで当該契約の変更は撤回されていない。

4 添付資料

・正社員からアルバイトへの降格を命じた辞令書の写し          1通
・正社員からアルバイトへの契約の変更の撤回を求める申入書の写し    1通

以上

※官公庁ではすべての書類をA4で統一していますので、将来的に裁判になる可能性がある場合にはA4用紙でプリントアウトするようにしてください。

申立書の記載要領

※「援助を求める理由」の欄について

援助を求める理由の欄には、会社側がどのような法律違反行為を行っているのか、といったことを記載します。

上記の(1)の記載例では、会社が人事上の措置として正社員からアルバイトへの「降格」を命じているものの、正社員からアルバイトへの降格は実質的には無期労働契約から有期労働契約への契約の変更にあたるから労働者の同意を得ないで行われたアルバイトへの契約変更は無効であるというような文章にしています。

(2)の事例では、懲戒処分として正社員からアルバイトに「降格」する場合も無期労働契約から有期労働契約への契約の変更にあたるから就業規則で定められた懲戒事由に該当するとしても契約の変更として労働者の同意が必要なのにその同意がないからアルバイトへの契約変更は無効であるというような文章にしています。

(3)の事例では、アルバイトへの契約変更に同意してはいるものの、その同意は人事権の行使としての降格であるから従わなければならないと勘違いして同意したもので錯誤として無効であるからアルバイトへの契約変更も無効であるというような文章にしています。

なお、正社員からアルバイトへの降格を命じられた場合の具体的な対処法などについてはこちらのページで詳しく解説していますので参考にしてください。

▶ 正社員からアルバイトへの「降格」は認められるか?

※「紛争の経過」の欄について

紛争の経過の欄には、会社との間の紛争がどのようなきっかけで発生し、会社側とどのような交渉を行ってきたのか、その経緯を記載します。

上記の事例では、上司から正社員からアルバイトへの降格を命じられた際に口頭で抗議しても受け入れられなかったことや、書面でアルバイトへの契約変更の撤回を求めても撤回されなかったことなどを記載しています。

※「添付資料」の欄について

添付資料の欄には、会社との間で発生している紛争の内容を証明するような資料があれば、その資料を記載します。

上記の記載例では「正社員からアルバイトへの降格を命じられたこと」を明らかにするために「降格を命じた辞令書の写し」の写しを、また「文書で降格の撤回を求めたにもかかわらず降格が撤回されなかったこと」を明らかとするために「降格の撤回を求める申入書」も添付することにしています。

なお、この場合に添付する「降格の撤回を求める申入書申入書」の記載例についてはこちらのページに掲載していますので参考にしてください。

▶ 正社員からアルバイトへの降格の撤回を求める申入書

ちなみに、裁判所における裁判と異なり労働局の紛争解決援助の申立に証拠書類の添付は必ずしも必要ではありませんので、紛争の事実を証明できる文書やデータ(画像や音声・画像記録)がない場合には「特になし」と記載して提出しても問題ありません。

なお、「写し」を添付するのは後で裁判などに発展した際に「原本」を使用することがあるからです。労働局への申立に証拠の原本は特に必要ありませんから、提出する書類(又はデータ)のコピーを取って、そのコピー(写し)を提出するようにしてください。

※ 様式について

労働局に提出する紛争解決申立書に定型の様式は定められていないため適宜の様式で提出して問題ありませんが、東京労働局のサイトから申立書のひな型をダウンロード(Word)することも可能です(東京労働局の様式を他の労働局で使用しても受け付けてもらえると思います)。

様式 | 東京労働局

もっとも、実際に労働局に対して援助の申立書を提出する場合は、申立する労働局に事前連絡や相談を行うと思いますので、その相談の際に労働局で申立書のひな形をもらうなどした方が良いでしょう。

なお、申立書を提出する労働局の具体的な住所等については厚生労働省のサイトで各自ご確認をお願いします。

▶ 都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧|厚生労働省


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